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皆様、無事完結致しました! ああ、危ない危ない……。
やはり見切り発車はいけませんね。計画的に物事は進めなければッ!

そんなこんなで長いことお付き合い頂きましたが、皆様ネタはお分かりにになりましたでしょうか?
ではここでネタばらし。以下の空間を反転させてくださりませ。

実は、今回のブツはブログを開設して私が一番最初に上げた長編の『かえでさん視点』だったのでした。
歴代最初のブツは『マリア視点』でかえでさんを探しておりましたので、今回はその逆パターンでございます。
いやぁ、書いた時からやろうやろうと思っていたのですよ。丁度良かった!


以上反転終わり。

さてさて、今回2周年では私が担当致しましたが……え、これもしかして交代制なのでしょうか!?
ということは私偶数!? 相方様奇数!?

僕、相方様が五周年記念本作ってくれるって信じてる……!

まあそんな訳で、長々と続きましたシリーズも今回が最終回でございます。
拍手も毎日ありがとうございました! お陰でギリギリでしたが頑張れました……!

でもって、申し訳無いですが私はまた暫く引きこもりちゃんに戻ります。
かえでさんの誕生日には、きっと、きっと帰るので……!

うん、みんな物事は計画的にね! うわあああん(泣)

そんなこんなで、長編ラストは注意書きの後にどうぞ~!

注意
・百合です。今度こそ百合です
・マリかえです。胸を張ってマリかえと言いますよ!
・今回が全7回の最終話。続きもののラストでございます~

【本日の戯言73】
もしかしたらいや多分かならず、『のべりすと』に危ないの載せるかもしれない(何ぞや、って方はググって!)
いや危ないって程でもないけど保身のためにじゅうはちきんにしておくよ。
そうなるとログインしないと見られないので、えろくないのもまた載せるかなぁ……?
あ、アップするだろうえっちい(?)のは今回の長編に関わるものなので、アップし次第この記事に追記します。
あんまり期待せずに、待ちたい人は……待ってて下さい。詳細もしばし待たれよ!

〈追記〉
上記をのべりすとにアップしました。タグ検索『マリかえ』で出ます。
サクラ殆ど無いので検索すればバレます(笑)
但し昨今の二次創作事情を考慮し、自己防衛の為18禁としました。(気持ちとしては16禁)
そうなると登録して設定をいじくらないと読めないのですが…ピクシブ同様にロム専でも
大丈夫かと思われます(現に半年放置してました・笑)。
しかし一応、登録は自己責任で。登録の仕方やら大人向けの観覧の仕方やらの説明は省略致します。
(その件でこちらに質問されることもお控え下さい。取説読めば分かるよ!)

又、今回は連載に関わりのある話でしたのでお知らせ致しましたが、そうでもない限り向こうの更新には一切
触れません。ふと思い出した時にでも覗いてみて頂ければ幸いです。



+++++++++++++++


『私もあなたを探してる』

その時、かえでは確かに彼女の手を掴んだ。
目と鼻の先を走っている筈なのに触れる事すらできなかった、その細く白い手を。

瞬間、足を止める気配すらも感じられなかった彼女の足が止まる。
永遠とも思われた長い時間走り続けていたかえでは、肩で息をしながらその場に崩れ落ちる。
勿論、やっと掴んだその手を離しはしない。
 
あまりの疲労感にかえでは暫くの間顔を上げることすらできなかったのだが、ずっと見つめていた彼女の足が
動いたのと同時に、ゆっくりと顔を上げる。
 
彼女が見上げたその先には、背後から強い光に照らされた彼女のシルエットだけが映っていた。
 
 
 
「……んっ」
 
徐々に強くなる光の眩しさに耐えきれず、かえでは小さな声を漏らすとゆっくりと瞼を開けた。
その瞳にまず映ったのは、全てがぼやけたモザイクだらけの世界。
目を擦って何度か瞬きをすると、徐々に視界が開けてくる。
 
そして自らの見る世界が全てはっきりとした時になって初めて、かえでは自分が劇場内の自室に居ることを
悟った。
外から小鳥の囀りは聞こえていたが、あれほど眩しいと思っていた日の光が思ったほどではなかったことを
考えると、どうやらまだ起床するには早い時間のようである。

「……朝、か」
 
カラカラに乾いた喉から、かえでは掠れた声で呟いた。
室内に居ながらもひんやりとしている空気は、昨日感じたものよりは少しだけ温度が高い。
やはり建物の外と中では、肌で感じる温度に差があるのだろう。
 
昨日は休日だったものの、今日はそうではない。普段と同じように朝を迎え、食事を摂って司令室に向かい、
次回公演の段取りを決めてしまわなければ。せっかく次期支配人候補が、気難しい作家を説得してくれたの
だから。
 
その後は昼食を摂って、戦闘訓練の監督をして……となると、昨日のように外出することは難しい。
そして夕方会議の予定が入っていたことを考えると、束の間の昼寝も午後のティータイムを楽しむことも
難しいか。結局昨日のケーキは食べられず仕舞いの彼女であったが、こうも多忙であれば仕方が無い。
万が一残っていたとしても誰かに譲った方がいいだろう。
 
そういえば昨日縫ったジャンポールは元気かしら……そんなことを考えながら、かえではゆっくりと寝がえりを
うつ。どうやら、このまま二度寝してしまおうという腹らしい。
結局今日も息つく暇もなく忙しいのだ。それならばせめて朝くらいゆっくりしていたいと思うのが人の性である。
幸いにも、未だ眠気は逃げることなくかえでの中に疼いているのだから。
 
しかし彼女は次の瞬間、自らの中に残る眠気を一瞬で吹き飛ばす。
その原因は時間の認識が間違っていた訳でも、外から誰かが起こしに来た訳でも無い。
 
マリアが、彼女の隣で穏やかな寝息を立てていたのである。
 
その端正な寝顔を見た途端に固まったかえでは、次に自らの頬を強く摘む。
すぐにその部分が痛みを発したことを考えれば、今この瞬間が夢ではないことは確かであった。
 
何故マリアが此処で、さも当たり前のように眠っているのか。
彼女は必死に、昨晩の記憶を呼び起こし始める。
 
米田の誘いに答え、彼女は料亭に酒を飲みに行った。
そこで出された秘蔵の酒はとても美味しく、かえでは勧められるがままにガバガバとそれを体内に治めることと
なる。度数もかなりであった筈なのだが、それでも今彼女の身体に不調が感じられないことを考えると
やはりそれはかなりの一級品であったらしい。
質の悪い酒ほど、次の日に響くのだ。
 
しかしかえでは美味い酒を飲んでいたことは覚えているものの、そこからどうやってこの部屋に戻って
来たのか全く覚えていない。
必死に寝起きの頭をフル回転させても、思い出せるのは同じように酔い潰れた米田に劇場の前で手を振った
ことくらいである。

それ以降の記憶はぷっつり途絶え、ドアの取っ手を握ったことすら記憶に無い。
 
だが現状はといえば、彼女は部屋に戻っている。
そうなれば恐らく彼女がかえでをここまで運んだということで……。
 
かえでがそこまで考えを巡らせた時、ふと混乱の中心人物の瞼が震えた。
彼女は心の中で相手が再び深い眠りに落ちることを願ったものの、それも空しくゆっくりとその瞼が
開きはじめる。
 
まだ瞼が重いのだろう、最初の瞬きは瞼が半分ほどしか開かない。
やがて徐々にその幅が広がり、そして完全に開いたのと同時にマリアは大きく口を開いた。
 
はふっ、という息を漏らし欠伸をした彼女は、寝起き特有のぼんやりとした顔のままでゆっくりとかえでの方に
寝がえりをうつ。
すると必然的に目を丸くして彼女の姿を見つめたまま固まっているかえでの視線と重なることとなり、
マリアはそれにつられたように一瞬だけ目を丸くした。
 
かえではその表情のまま、じっと彼女を見つめている。
だがマリアはそんな相手を見つめ、やがてふっと微笑んだ。
 
その瞬間、かえでの脳裏に忘れていた筈の記憶が一気になだれ込んでくる。
 
劇場の扉を開きふらふらと階段を上って、力尽きたのと同時に彼女が駆け寄って来た。
その身体を託して部屋まで運んで貰い、ベッドに自ら飛び込んで上着を脱がせて貰ってそして……
 
身体の温度が一気に上昇したかえではとてもマリアの顔を直視することができず、ゆっくりと布団の中へと
潜っていった。

「おはようございます」
 
その声と同時に、自らの頭をその手が撫でているのであろう感触がかえでにも伝わって来る。
勿論その視界は一面真っ暗であり、相手の姿など全く見えないのではあるが。

それでも、マリアの手の柔らかい感触をかえでははっきりと覚えている。
そして年下の恋人に頭を撫でられた時の、嬉しいようで悔しいという複雑な感情も。

「……おはよう」
 
暫くの間撫でられていた彼女はそう小さく呟くと、ゆっくりとその顔を半分だけ布団の中から覗かせた。
未だそれは火を吹いてしまうのではないかと思われるほど熱かったのだが、ずっとこうしている訳にも
いかない。

「ねえ、何でマリアがここに居るの?」
 
やがて突発的な熱が少しだけ治まった頃、かえではじっと自らを見下ろす相手に向かって問いかける。
その答えをかえでは何となく予想していたものの、マリアがどう出るのか純粋に気になったのだ。
状況だけを考えれば、マリアが寝込みを襲ったとも捉えられるのだから。

そんなかえでの思惑を含んだ言葉に、マリアはまた目を丸くする。
だがそれもやはり束の間で、次の瞬間彼女は口元を押さえてくすくすと笑いはじめた。

何故いきなり笑うのか、そんなにこの状況は滑稽だとでもいいたいのか……かえではそんな相手を訝しげな
表情で見つめる。

やがてマリアはやっと笑いを落ち着かせると、今度は彼女にしか見せないような笑みを口元に浮かべて
真っ直ぐにその瞳を見つめた。
 
「あなたが、誘ったんですよ。」
 
意地の悪い笑みと、意地の悪いその言葉。
そのパンチはかえでに再び致命傷を与えることに成功し、彼女はやっと落ち着きかけたその熱を再び
上昇させた。
 
両の手で顔を覆ったかえでは、恥ずかしさのあまり再び布団の中に潜ろうともがく。
しかし今度ばかりは、マリアはそれを許してはくれないらしい。
 
次の瞬間、かえではその腕にぎゅっと強く抱きしめられていた。

慌てた彼女は抗議の声を出そうとしたものの、その頬にマリアのそれが摺り寄せられたが為に
実行することができない。

「ん、マリ……」
 
ブロンドの髪の間を縫ってかえでが相手の名を呼ぼうとすると、今度はその言葉を遮るように口付けが
降ってくる。
はじめのうちは抵抗していたかえでであったのだが、キスを繰り返されるうちにそれが酷く無意味なことのように
思えてくる。

いつしか彼女は相手の背中に自らの腕を廻し、その誘いに応えていた。

「離しませんから」
 
やがてどちらともないキスの応酬が止むと、いつの間にかかえでに覆いかぶさるような形となったマリアが
呟く。

「えっ……」
 
彼女の真摯な眼差しにかえでが目を見開くと、その唇にもう一つ口付けが落とされた。

「私はもう離しませんから。だからかえでさんも、私を離さないで下さい」
 
吐息が届く程の距離で、マリアは改めて口を開く。
それはこの永遠に続くとも思われた追いかけっこの、終焉を告げる言葉であった。

「……うん」
 
かえでは相手の瞳を隠している前髪を払うと、その両の眼差しに向かって誓いの言葉を述べる。
そして降ってきた誓いの口付けを、その唇でしっかりと受け止めた。


+++++++++++++++
おわたー! 結局当初の予定よりいちゃいちゃした(笑)
まあ酔った勢いで何をしたのかはご想像にお任せします……よ……。


それでは皆様、長い間お付き合い頂きありがとうございました!
亀更新ではございますが、今後とも当ブログを宜しくお願い致します。
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