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皆様こんばんは。
去年の年末から今年にかけて、個人的にツボなCPのサイト様が増えて嬉しい限りの私です。
(私がハマりたての頃なんて、まだほんの一握りしか無かったのに……!)
中々メッセージを残せませんが、ちらっと行ってはニヤニヤして帰って来ていますよ私は。
皆様供給をありがとうございます。

そして私は、「こんなにサイト様が増えたんだからそろそろ私妄想担当に戻ってもいいよね?」と相方様に
尋ねたところ、にこやかに駄目出しをされました。

……こんなキャラ崩壊の文章ばっかで、何かホントすみません。


さてさて、謝罪で始まりましたが本日の記事内容はタイトル通りです。
何から1カ月なのかといえば、先月の20日に行われたトーク&ライブから1カ月ですよ。
月日が経つのは早いものですね。

そして何だかんだで忙しかった年始を終えた今、私の中でとある現象が起こっております。

『イベント時の痛すぎる自分の姿が走馬灯のように思い出され、恥ずかしさのあまり枕に突っ伏しながら
 手足をバタバタする』

という現象が、ね……。

いやぁ、ハイになった自分ほど怖いものは無いですよね(泣)


更に、実は私このブログを始める前に某所でこのことを予言していたんです。

サクラにハマりたてで、既にショウを見る機会は無いことを悲しんでいた頃。
数多のサクラ関係のイベントレポを見て、「私も会いたかったなぁ……」と思っていた訳ですよ。

でも私、かなりの人見知りでございまして(これは事実ですマジで)、もし目の前に画面の中の人が
いらっしゃったらガチガチに固まってしまうに違いないと。
生歌なんか聴いたら死ぬんじゃないだろうかと。
(実際はハイになって煩いくらいに喋っていましたけどね……内容の記憶は全く無いですが)

そんな妄想をした挙句、最後に私はこう書いてその話題に区切りをつけておりました。

『帰って枕に突っ伏して大後悔する(醜態を晒した為)というオチが容易に想像がつきます。』

……ほら、現在進行形の自分の姿を予言しているでしょう?

そんな感じで、自らの予想とは少し違う醜態を晒した私は、当時を思い出す度に悶絶しているのです。
ああ、もうこの部分の記憶だけレーザー光線で消し去ってしまいたい。
(勿論、私に会った全ての皆様の分も……)

あの記憶を忘れたくは無いと思いますが、せめて自分の行動の記憶だけは忘れ去ってしまいたいです。

しかしまあ、そんな後悔をする癖に夏にはきっとイベントに参加するんでしょうがね。
ゲストもいらっしゃるようですし……今からそれが誰なのか妄想するだけでニヤニヤします。

でもその時はもう少し、落ち着いておしとやかに隠れていようと思いました。
(なので相方様、トークは任せたよ☆)

それでは本日のネタですが、この間のカンすみの続きになります。
果たして、あの文章のカテゴリが「つづきもの」になっていたことに気付いた方がどれだけ
いらっしゃるのか……。

まあそれはともかくとして、お読みくださる方がいらっしゃいましたら拍手レスの後から先に進んでくださいませ。
(百合と友情の狭間くらいの表現だと思いますが……苦手な方はご注意ください)


【拍手返信(くらゆき)】

→えーこ様
すみれ様が更にお好きになられましたか……相方様の魔の手にあなたも掛かってしまったのですね(笑)
誕生日もの、ご覧になってくださりありがとうございました!

さっくらさん予想ですか! やっぱり多いな(笑)
了解致しましたので、またリクがあれば期間内にメッセージを送ってくださいませ。
確かに、私も彼女の初期値は高いとプレイしながらひしひしと感じております。
マリア狙いでさくらさん…もし今回マリアエンドじゃなかった場合、私は今後果たして彼女とのエンディングを
迎えられるのでしょうか?
今現在の彼女は、怖いお姉さんのままです。さて、いつ撃たれるのかな!(違)

それでは、メッセージありがとうございました!


→1月18日、0時47分頃にメッセージを下さった方(通りすがりのサクラ大戦ファン様)
まず始めに、ご心配をお掛けしてしまって申し訳ありませんでした。
そして、私の初プレイを気に掛けて下さりありがとうございます。

もしかしてさくらさんのファンの方でしょうか?
確かに、私自身もネット等でさくらさんの性格について賛否はよく目にします。
今の所(といってもまだ1話を終えた所ですが)は私自身特に何か感じるところはありませんが、後々の
彼女のことをあまりよく思わない方もいるのが現状なのでしょうね。

そして私としての回答ですが、今のままキャラを絞らずに突き進もうと思います。

元々ゲームや漫画等のキャラクターを本気で嫌うタイプでもありませんし、幸か不幸かそのように評価を
している方の情報も幾つか目にしているお陰である程度の覚悟をしてプレイに臨んでいるのが現状ですので、さくらさんがどのように動いたとしても驚くことは無いと思われます。

ですがもし、年甲斐も無くそう思ってしまったとしても、それはあくまでゲームのさくらさんであって
他メディアのさくらさんはそれぞれまた別の一面を持っています。
そして私はそんな彼女の姿を好意的に捉えている為、たとえゲームというメディアの彼女の姿を私自身が
同じように捉えることができなかったとしても、その1つの面だけを見て彼女を嫌うということはできません。

なので多分、ゲームの彼女の姿もきっと『面白い』とか『可愛い』と捉えて、ゲームを純粋に楽しむことが
できると私は考えております。
むしろ今現在のこのサイトのさくらさんの影が薄いくらいなので、大いに目立って貰った方が楽しいとさえ
思います。

余計な口出しどころか、こんな辺境サイトの管理人のプレイを気に掛けてくださってありがとうございました。
まだまだ新参者の私ですが、サクラファンの方々は本当に暖かい方が多くて幸せです。

サクラ大戦、私なりに楽しもうと思います。
メッセージありがとうございました。


→飛竜彩女様
やはりカンナは運命だったのですよ! 狙わずにヒロインにできるなんてそうとしか思えません!
さてさて、飛竜様にとってのカンナのような私の運命のヒロインは一体誰なのでしょうか……(クサいよ)。
プレイしている身ではありますが、今から楽しみです。
(脳内ではかえでさんなんですけどね……! 狙えませんからね!)

かえすみは何故かどうしても甘くなってしまうのですよ、申し訳無い!
びっくりされないように今度は注意書きを強固なものにしておきます。
(砂糖どころか血を吐くんじゃないかというくらいの甘さのものしか出てこないという可哀想な脳の
 持ち主なのですよ……)
カンナさんには意地っ張りなすみれ様ですが、そんな角を立てたままでは疲れてしまうと思ったので、せめて
みんなのお母さんのかえでさんの前くらいでは甘えてもいいのではないかと思うのですよ。
なのできっと、今後もかえすみは甘々の路線を突き進むと思われます(マテ)

ゲーム中でもネタ拾いまくりでございますよ。
もしかしたらブログ上にアップするかもしれませんので、その時はもし宜しければお楽しみ下さい。
それにしても、絵に描けるのはとても羨ましいです。
私には画力が一切無いので、相方様をはじめ絵を描ける方々が羨ましくって……。
誰か私にその力を分けてください(切実)
プラス文才も欲しいな……(強欲め!)

プレイ日記、初めての試みでしたが喜んで頂けたようで幸いです。
日記はあんなに下ネタ満載ですが、あれでも抑えた方なのですよ(最低だ!)
プレイしながら取ったメモの方が、欲望に満ち溢れているので大変なことになっております。
あんな感じでよければ……これからもお楽しみ下さいませ。

それでは、メッセージありがとうございました!


→颯太様
しつこくメッセージ大歓迎です、ありがとうございます!
相方様へのメッセージをチラリと見てしまったのですが、中学生の方だったんですね。
いやぁ、若いなぁ(年寄りめ)!
サイトのSSの方も拝見したのですが、私よりずっとお上手ではございませんか。
いっそ、私の代わりに書いて下さい。その方が世の中平和なように思います(切実)

プレイ日記を見て下さったようで、ありがとうございました!
まだ企画の期限には余裕がありますので、ゆっくり考えて応募して下さいね。
アイリスに突っ走りたくなる気持ち、よく分かります。あの可愛さは犯罪です。
そしてまさかのすみれ様予想……! 彼女は本当に面白い! いろんな意味で狙いたくなります。
サクラにハマったのも私と近い時期だったんですね。
私は丁度夏の始めでしたよ。相方様の罠にまんまと嵌まりました(笑)
ビギナー同士、頑張って追いかけましょうね!

あと黒髪がお好きだそうで……同士よ!(ヲイ)
黒髪+ポニーテール+袴は最高です。某漫画のあるキャラにハマって以来、私の中の最大の
萌えポイントです。
それに更に凛々しさとかカッコよさが加わると素晴らしいのですが……さくらさんはおしとやかで可愛らしい
ですからね。(近いのが陸軍降魔部隊時代のあやめさんですかね、ビジュアル的には)
どうしても怖い(カッコイイ)マリアさんやら、面白い(!?)すみれ様に目が行ってしまうのです。
そして1では登場しないかえでさんを恋しく思いながら、日々プレイを続けています。
他所様より更新は亀ペースですが、もしよろしければまた楽しんで下さいね。

それでは、メッセージありがとうございました!


→アイアイ様
ご応募ありがとうございます!マリアさん予想とリク、了解致しました。

いつも御覧下さっていたそうで、本当にありがとうございます。
リク内容を拝見する限りモトホシのファンの方なのですか? 他にかまけすぎているせいであまり書けなくって
ごめんなさい。
モトホシとかえでさんの絡みはとっても可愛いですよね。
私も早く脳内にあるネタを吐き出してしまいたいです。誰か、時間を私に……!

それでは、メッセージありがとうございました!
まだ暫く時間がかかると思いますので、気長にお待ち頂ければ幸いです。



企画に応募してくれる方が、まだ始まったばかりなのにいらっしゃって嬉しい限りです。
これで誰も居なかったら無かったことにしようと本気で思っていたので、このサイトを見て下さっている方が
予想以上にいらっしゃったことに驚いています。(マジで5人くらいだと思ってました、辺境の中の辺境なので)

が、頑張ってプレイ日記書きますね(ほら逃げられなくなったぞ!)

それでは、本日のカンすみ話に進まれるかたはどうぞ~。(微妙な百合要素にご注意くださいませ)

【本日の戯言29】
……大変な事に気付きました。
すみれ様のお誕生日以降、このサイトがすみれ様サイトになっておりますのことよ!
なんだ、この『相方様ホイホイ』のサイトは!(笑)

というより、クリスマス以降にマリかえを打った記憶が無いのですが……。
しかもそんな事言いながら、次回の更新(プレイ日記を除く)もすみれ様関連なんですけど……!
……このブログが真紫になる日は、もうすぐそこまで迫っているのかもしれません。




+++++++++++++++
(この話は:こちらの話の続きになっております。先にお読みになった方が、ほんの少しだけ楽しめるかも
 しれません)


一年に一度だけの誕生日。
そんな日の夜に自分の部屋に届けられた、送り主の分からないプレゼント。
しかしそれに残された痕跡は、確かに誰かを思わせる。
いや、その誰か以外には思い浮かばない。
 
……だが、そう思ってしまうのは自分自身の傲りなのだろうか。
 

 
すみれの誕生日からニ日が経ったある日。
大帝国劇場入口には、振袖を着た花組メンバーが集まり、文字通り華やかな様相を呈していた。
 確かに、暦の上では未だ正月のうちである。
しかし世間ではとうの昔に正月の気配は一段落しており、今のこの状況は少々他からは逸脱したもの
であることに変わりはない。

そしてそんな状況を生み出したのは、とあるメンバーのたった一つの言葉であった。
 
『今年は皆で初詣できなかったね。』
 
そう最初に呟いたのが誰であったか、もう今となっては分からない。
しかし確かにその最初の声が皆に波紋の如く知れ渡り、今日この日、メンバー全員で初詣に
繰り出すこととなったのである。
 
 
 
「すみれさ~ん。もうすぐ出るそうですよ!」

普段の袴姿ではなく、華やかな赤い振袖を着たさくらが、いつまで経っても現れない先輩の部屋の戸を叩く。

「少しくらいお待ちなさいな。急いだところで神社は逃げはしませんわよ。」

その言葉に、さくらはやれやれといった様子でため息を吐く。
女優という職業柄身だしなみには気を使うメンバーが多いことは確かであるが、それでもトップである
彼女のそれに掛ける長さは人一倍であった。

既に三回程彼女の部屋の戸を叩いているさくらは、また先程までと同じく追い返されるのではと
危惧していたのだが、さすがにもう準備を終えていたらしい。

返答から暫くの間の後、普段の紫色の振袖とは違う紅色のそれを着たすみれが、
静々と部屋の戸から現れた。

「全く、皆さんはせっかちすぎますわよ。」

不機嫌な様子で眉間に皺を寄せた彼女は、フンと鼻を鳴らしながらそう呟く。

皆がせっかちだというよりすみれの身支度の方が長すぎるのだという本音をゴクリと呑み込んださくらは、
彼女の言葉には答えずただ苦笑いを浮かべるのみであった。

そしてふと、その視線がすみれのカチューシャに移る。
彼女が今頭につけているカチューシャも、もはやトレードマークとなっている普段のものとは違う。

そして、同時にそれはさくらも初めて目にするものであった。

「すみれさん、そのカチューシャ…」
「ああ……ファンの方に誕生日に頂いたんですの。」

皆の待つ玄関へと向かう階段でのさくらの言葉に、すみれは彼女の方を見ないままでそう答える。

「そうなんですか? とってもお似合いですよ~」

さくらは、素直な気持ちのままでそう賞賛した。
青く落ち着いた色合いでありながらも、ワンポイントとなっている同じ色のリボンが可愛らしい。

トップスタアという立場上、彼女は自らの年齢以上の振る舞いを見せなければならない。

しかし、彼女にも年相応の可憐な面があることを知っているさくらは、落ち着いた雰囲気の中にも
可憐さを併せ持ったそのカチューシャがすみれによく似合うと思い、ただ素直な感想を述べたのである。

すると、ずっとさくらの前を歩いていた当人が階段を降りきったところで立ち止まった。

そしてゆっくりとした動作で、彼女の方を振り返る。
 
その時、ほんの一瞬だけ彼女の顔に普段は見せることのない表情が浮かんだ。
あまり見ることのない彼女の心からの微笑みに、さくらは目を奪われる。
 
だが、それはやはりほんの一瞬のこと。
 
すぐに表情を変えたすみれは、普段と同じ得意気な顔でさくらを見る。
いつも通り、右手の甲を口元に当てて。

「当然ですわ。」


そう高らかに声を響かせた彼女は、いつもの通り得意気に高笑いを響かせた。
一階の全てのフロアに響き渡るかと思われる程の笑い声を聞きながら、さくらは苦笑いを浮かべつつ
心の中で溜め息を吐く。


「すみれ~、笑ってないでさっさと来なさい。置いてくわよ~!」

その声はやはり玄関まで響いていたのか、自らも振袖に身を包んだかえでがうんざりした様子で
二人にそう声を掛ける。
その奥では、何人かのメンバーが同じような表情で二人を見ていた。

当然、皆の非難を浴びる前にさっさと玄関へ向かった方がよい。

「はいはい、今参りますわよ~。」

それでもあくまでペースを崩すことなく歩いていくすみれの後を追いながら、さくらはもう本日何度目かと
思われる溜め息を吐いた。
 
 
 +++++++++++++++


こうしてすみれの身支度に時間がかかったお陰で予定よりも大幅に遅れたものの、花組の一行は初詣へと
出かけることとなった。

『皆で初詣に行くのならいっそ晴れ着で』というかえでの提案から皆それぞれが振袖を着ている為か、
彼女達はいつにも増して華やかな様相を呈している。


そんな中、すみれが身につけてきた身につけた新しいカチューシャは、他のメンバーにも甚だ好評であった。
その程度はといえば、最初にそれを見たさくらを皮切りに、神社までの道中でメンバーの殆どに
褒められたくらいである。


そんな周りの様子に正に『天狗』の状態になっていたすみれであったのだが、表面上では笑っていても
その心境は複雑なものであった。
 
それは、誕生日の日の夜に彼女の部屋に置かれていた、贈り主の名の無いプレゼント。
ただ滑らかな字で彼女の名が書かれていたために、自分宛のものだと分かったもの。

問われる度に『ファンから貰った』と返してはいるものの、彼女自身は内心そうだとは思っていなかった。

綺麗な紙で包装してありながらも、その紙が酷くくたびれていた為最初はそれが贈り物だとは分からなかった。

勿論、メッセージカードなども一切添えられてはいない。
 
そして何より、贈り主の名が書かれていないこと……。
それらの事実は、すみれの中にある人物を思い描かせた。
 
ガサツで意地っ張りでいけすかない相手。
だがそれでもどこかでウマが合って、何故かいつも嫌というほど間近で顔を突き合わせる相手。
 
すみれは、道中で何度もその人物の様子を窺っていた。
しかしその本人は普段と何も変わらない様子で、他の仲間と笑いあっているだけ。

そしてついに彼女のカチューシャについては、一言も触れることは無かったのである。
 
 
 
「すみれ。」

お参りを終えた後神社の鳥居の前で一人立っていたすみれは、自分の名を呼ぶ声に振り返る。
そこには、自らも青い振袖に身を包んだマリアが微笑んでいた。

いつも露出を避け、舞台上と同じようにまるで男性のような服装を好む彼女であったが、
それでも晴れ着を着た今日の姿は普段では見られないような女らしさを感じさせる。

わざと少々崩してはいるものの、普段から振袖を好んで着ているすみれとは違う珍しいマリアの着物姿も
また、彼女のカチューシャと同じように皆に持て囃されていた。

「そのカチューシャ、どうしたの?」

着なれない服を着ているにも関わらず、マリアの動きに乱れは無い。

「誕生日に、頂いたんですの。」

カラカラと草履を鳴らしながら近づいてくる相手の言葉に、すみれはもう先程から何度も言っている
言葉を返した。

「そう。……贈り主は誰か、聞いてもいいかしら?」
「さぁ、お名前までは私も……」

何やら含みのありそうな問いかけにも、すみれにはそう返すしか道はない。

あくまでも彼女の予測は予測でしかなく、またそれを口に出すことは彼女にとってタブーであった。

言ってしまえば楽になるかもしれない。

だが、それは普段言い争っている相手に屈してしまったようて、プライドの高いすみれには
我慢のならないこと。

意地っ張り同士の意地の張り合いは、一筋縄ではいかないのである。

マリアはすみれの返答に短く返事をした後、暫く無言で彼女を見つめた。
すみれは彼女の瞳から目を反らすこともできず、同じようにじっと相手を見上げる。

「それにしても、よく似合ってるわ。」

すると唐突にマリアはそう呟いてすみれの髪を一筋だけ軽く摘まむと、するりと指先を滑らせる。

舞台上ではない相手の行動に目を丸くすみれを余所に、彼女はまたにっこりと笑みを浮かべてこう囁いた。

「それをあなたに贈った人は、あなたのことをとてもよく知っているんでしょうね。」

その言葉を聞いた瞬間、すみれの中にひとつの確信が生まれた。
 
マリアは、カチューシャの贈り主を知っている。
それも、自分のように予測しているというわけではなく、まるで現場を見たかのような確証があるらしい。
 
「マリアさ……」
「マリアっ、何やってんだよ!」

すみれが自らの確信を相手にぶつけようとしたとき、彼らの背後から声が響いてきた。

その声の主に、すみれは思わず身をこわばらせる。

「あら、どうしたの? 何か私に用?」


すみれの髪を指先で撫でていたマリアは、その手を離し声の主の方に視線を移す。
だがすみれは彼女の行動につられることなく、その視線を少しだけ下方向に移した。

「い、いや……別に。」


歯切れの悪い返答をした声の主もまた、普段のような稽古着てはなく赤い振り袖に身を包んでいる。
視線を下にしたすみれには丁度その裾の辺りが目に映り、彼女は歩く度にチラリと見える相手の足首が
何故かとても艶っぽく思えた自分自身に驚いていた。

やがて声の主は、すみれの目の前で足を止める。
その為ずっと俯いているわけにもいかなくったすみれは、ゆっくりとその視線を上へと移した。

そしてまるでそれを狙ったかのように、彼女の横に立つマリアが声の主にこう問いかける。

「ねえ、あなたも似合うと思わない?」

マリアの言葉を聞くや否やすみれの心臓は早鐘のように高鳴り始めた。

何てことを聞くのかとマリアを恨む気持ちがすぐに現れたものの、それを口に出すのは余りにも
体裁が悪すぎる。


しかしそんな内心の葛藤など露ほども表に出さず、彼女はマリアの言葉とほぼ同時に視線を上げた。

一瞬、その視線が声の主のそれと交わる。

だが、すぐに相手のそれはすみれの髪の方へと逸らされた。
 
カンナは、マリアに促されるままに、暫くじっとカチューシャを……自らがすみれに贈ったのであろうそれを
見つめた。
 
「な、なんですの……。」

見つめられて暫く、その気恥ずかしさに遂に耐えきれなくなったすみれは小さく声を漏らす。

するとカンナはふっと息を吐いて視線を逸らし、すみれではなくマリアに向かってこう言った。

「さぁ……どうだかな。あたいにはそんなこと分かんねぇや。」

興味が無いというような様子でそう吐き捨てたカンナは、更にうんざりしたような視線ですみれを見下ろす。

「どーせ、何いってもこいつには文句を言われるだけだろうし。」

その一言に、すみれの肩にのし掛かっていた緊張の糸がぷつりと切れた。

 
何を自分が、固まる必要があるのか。
恐らくこのカチューシャの贈り主は、十中八九今自分を見下ろしている人物に違いない。
だが当人には、そのことをすみれに知らせる気は全く無いのだ。
それならば彼女がいくら予測しようが、それが確信に変わることは無い。

ましてや贈り主が彼女であると思い、それをただ純粋に嬉しく思ったすみれの気持ちなど
……最初から存在する筈がないのだ。

贈り主は、贈り主であることを自ら否定しているのだから。


それならば何故、自分ばかりが彼女を目で追い続けなければならないのか。
彼女の一挙手一投足に、常に胸を昂らせなければならないのか。
 
贈り物を受け取ってからこれまでの自分自身の姿。
それはとても滑稽なものだったのだと、すみれは今になってやっと痛感した。
 

「あら、ご自分の事をよくご存知でいらっしゃるじゃありませんか。」

口元に意地の悪い笑みを浮かべ、すみれはじっとカンナを見つめる。
体格差など、最初から問題ではない。

「貴女に私の気品が分かるなど、私も考えてはおりませんわよ!」

心にも無い一言をすみれが言い放ち、さあいざ振袖に身を包んだ二人の口喧嘩が始まる
……そう、すみれは思った。

しかし、普段ならば鼻を突き合わせて来るはずのカンナは、くるりとすみれに背を向ける。

「へんっ、勝手に言ってらぁ!」


そんないつもとは違う相手の行動に目を丸くしたすみれに向かってカンナはそう言い放つと、
来たた道をそのまま引き返し、やがて人混みの中に消えた。

残されたのは、額に手を添えため息を吐くマリア。

そして煮え切らない思いを抱えたまま、消えてしまったその後ろ姿をじっと睨み付けるすみれだけであった。
 
 
 +++++++++++++++



一年に一度だけの誕生日。
そんな日の夜に自分の部屋に届けられた、送り主の分からないプレゼント。
しかしそれに残された痕跡は、確かに誰かを思わせる。
いや、その誰か以外には思い浮かばない。
 
……だがそう思ってしまうのは、自分自身の傲りなのだろうか。
 
 
ちょろちょろと水が落ちる度に揺れる水面に映る自らの顔を、すみれはひとりじっと見つめていた。
怒りとも悲しみとも取れない表情のままでじっと自分の姿を見つめていた彼女の視線が、
ふと頭に着けたままのカチューシャに移る。


あれだけ持て囃された筈のそれを、自分はもう二度と身につけることは無いのだろう。
早とちりをした上に浮き足立った自分自身の愚かさを、すみれ自信はもう思い出したくはない。

そう彼女が思った時、ふとその手が上がり指先がカチューシャに掛けられる。
彼女に今まで喜びを与えてきたそれは、今となってはもう苦痛でしかなかった。

それならば、いっそ髪が崩れてしまうことも気にせずに……。

「ったく、おめぇも相変わらず意地が悪いよな。」

カチューシャを取ろうとしたすみれの耳に突然聞こえてきたのは、彼女が今最も聞きたくない声であった。

しかしその声はすみれの思いを他所に少しずつ近づいてくる。

すると彼女の身体は自然と物陰に動き、気配を消してじっと近づいてくる人間の様子を窺っていた。

「そう? でもあなた達の意地っ張りには負けるわよ。」


すみれの前に先に現れたのは、苦笑を浮かべているマリア。
そしてその後からは、どこか不満げな表情のカンナがゆっくりと歩いてきた。

すみれは息を潜め、じっと彼らを見つめながらその声に耳を傾ける。

二人の様子を見る限り、どうやら彼らはすみれの存在に気付いていないらしい。

「でも、本当によく似合っていたわね。すみれはあんなこと言ってたけど……あなたの見立て、
 正しかったんじゃない?」

静々と歩きながら話すマリアの言葉に、思わずすみれは唇を噛んだ。


マリアの口振りを考えると、やはりカチューシャを贈ったのはカンナであるらしい。
しかし、それはもうすみれにとってどうでもよいことであった。

だがその脳裏には、つい先程までの自らの醜態が浮かび上がる。
次々と止めどなく流れてくるそれに耐えきれなくなったすみれが思わず首を振った時、
彼女が今一番聞きたくなかった筈の声が再びすみれの耳に響いてきた。

「ったり前だろ?」


その声の調子は、彼女の知る限りカンナの機嫌がいいときのものの筈。
すみれは反射的に、二人の居る方へと視線を向けた。

「嫌ってぇ程アイツの顔見る羽目になってるあたいの見立てが、外れる訳無ぇじゃねえか。」


続けざまに、カンナがそうマリアに言っている様子がすみれの目に映る。

そんなカンナの顔にはすみれが予想していたような不満げな表情ではなく、照れたような笑みが
浮かんでいた。

「アイツに似合わねぇようなモン、あたいがアイツにやる訳ねぇだろ?」

カンナのその言葉を同時を聞くのと同時に、すみれの心臓は再び仕事を思い出したかのように高鳴り始める。

すみれは胸の動悸をを抑えるようにそこに手を当てたまま、ふたりの姿を見送った後も暫くそこに呆然と
立ち尽くしていた。
 
 
 
「あ~すみれさんがニヤニヤしてるでーす!」

ひとり木陰でぼうっと時間を潰していたすみれの背後から、唐突に甲高い声が響いてくる。

驚いたすみれが振り向くと、振袖を着た織姫とかえでが彼女の方へと近づいてきた。

「あら、すみれどうしたの?何か嬉しいことでもあった?」

にっこりと穏和な笑みを浮かべて、かえでが彼女に問いかける。

「べ、別にニヤニヤなんてしてはおりませんわよ! それに、何か嬉しいことだなんて……」
「あっ、分かったでーす!」

頬を赤く染めたすみれがバタバタと大袈裟に手を振って彼女達の見解を否定していると、
再び織姫が大声を出してその言葉に割って入ってくる。

彼女はビシッとすみれに人差し指を突きつけると、得意気な表情でこう言い放った。

「すみれさんは今日一日中そのカチューシャ褒められてますからね。きっと『河
童』になってるんですよ。」
「織姫、それ『天狗』って言いたいのよね?。」

苦笑いを浮かべたかえでが、すぐに織姫の間違いを正す。
その様子に力の抜けたすみれは、ふうっと大袈裟にため息を吐いた。


すると、織姫に向けられていたかえでの視線がすみれの方へと向けられる。

彼女はすみれの髪を一度だけさらりと撫でると、きょとんとした相手に向かって再び微笑みかけた。

「でも、コレ本当に似合ってるから……今日くらいは天狗になってもいいんじゃない?」

そんなかえでの言葉は、すみれにとってもう飽きてしまうほどに聞き続けたもの。

だが、先程までとは……彼女が一番その言葉を掛けて欲しかった人物のそれを聞いた今は、
かえでの賛美をより素直に受け取ることができる。
 
この青いカチューシャが似合うのは、彼女をいつもすぐ傍で見ている人物のお墨付きなのだから。
 
「違いますわよ、かえでさん。」

そう呟くすみれの口元に、自然と笑みが浮かぶ。それは普段と同じく自信に満ち溢れた、
彼女の笑顔であった。

「私ほどの器量よしだからこそ、どんなものでも似合って当然。今日のこのカチューシャも、
 私の美しさを際立たせているモノのひとつにすぎませんわ。」

そう言い終わるのと同時に自らの口元に手の甲を添えると、すみれは神社の境内に
盛大な高笑いを響かせる。

その声はいつまでも、冬の寒い日の空の下に響き続けていた。


+++++++++++++++
「2.こっそり見る」
『気付いて、気付かないで』(配布元:『勿忘草』様 )

思いの他長くなった誕生日カンすみの続きでした。
何と言うか、純粋すぎて心が洗われますね!(自分の本命を汚しすぎ)
デフォルトで意地っ張りのすみれ様と、すみれ様にだけ意地っ張りのカンナさん。
意地っ張りvs意地っ張りな感じのうちのお2人ですが、打ちながら『ら○ま』の主役とヒロインのことを
打っている気分になりました。

……しっかし最近すみれ様ネタ多いなぁ。
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ご案内
こちらは、わとことくらゆきの二人が運営する「サクラ大戦」の帝都ごった煮二次創作サイトです。

全体的に女性キャラ同士が非常に仲の良い描写が含まれること、更に製作物によってはキャラが崩壊していることがございますので、観覧の際はご注意下さるようお願い致します。

その上最近はCPが節操無し状態になっておりますので、より一層ご注意願います。

初めていらっしゃった方は、必ず「あばうと」のページをご覧下さい。

尚、このサイトは個人で運営しているものであって、版権物の著作者様・販売会社様等とは一切関係ありません。

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