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皆様こんばんは。(前半ちょっとだけ、虫嫌いの方はご注意下さい)

つい先程手首に黒いアイツが落ちてきて少々凹んでいるくらゆきでございます。
今は冬ですから、きっと外からエアコンの排気口を通って入ってきたのでしょう。
夏場見なかったからなぁ、だからって落ちてくるなんてどれだけアホなんだ…。

でも普通奴等って台所とかそういうところに出ますよね? 
うち常に食べ物の気配の全く無い2階に出没するんですが……何だこれ。
過去の出現のうちの半分がエアコンから飛び出すというシュールなものだったので、そろそろ何か罠を仕掛け
ようかと思います。

さて、冒頭から気味の悪い話で申し訳ございませんでした。

本日はタイトル通り、久々に家で1人グダグダした生活を送っておりました。
勿論前回記事の通りレポートなんかもやっておりましたが、図書館に上手い資料が見つからず結局独断と
偏見だけで書き上げるという暴挙に出ましたよ。
……いいんだ、単位は足りてるから。

しかしまあ、こう連続で更新するとネタがなかなか無い訳でして……。
何を書こうかと悩んでいたら、ふとあることに気付きました。

そろそろ、『あばうと』の内容を詳しくした方がいいかもしれない……と。

気付かれた方もおられるかもしれませんが、去年の暮れ辺りに相方様と相談して少々アバウトや注意事項
をいじったのですよ。
ええ、カップリングが大変無節操な状態になりましたから……!

しかしながら、妄想は生き物とでもいいましょうか……当サイトの御三方もCPも最初からは微妙に変わって
きていると思うのですよ。

特に、マリアとすみれ様。

前者はS度に磨きがかかり、後者はデレ度に磨きがかかり……とにかく壮大なキャラ崩壊をしております。
またCPに関しても、他とは違う独自の方向に突き進んでいるような気がします。

というか『かえすみ』を未だに見かけたことが無いあたり……ほら、マイナーだ(にこ)

そんなこんななことを思ったので、もしかしたらもうすぐあばうとのページが変わるかもしれません。
図解とかした方がいいかも、と相方様とも相談しておりましたしね。

そして皆様、こんなドマイナーな方向に突き進んでいくサイトにお付き合い頂き誠にありがとうございます。
今後も、あまり崩壊しない方向で……更新できたら……いいなっ!(願望)

……ですがそんな事を言いつつも、今回の更新の『かえすみ』もキャラ崩壊満載な上に無駄に甘い産物に
なってしまいました。
べったべったな甘々の百合な上に、すみれ様がかなり子供っぽいので……危険を感じた方は華麗にスルー
して頂ければ幸いにございます。

……笑って許してくださる方は、各種返信の後からどうぞお進み下さいませ。


【私信】
→塩絡み様
お忙しい中私信ありがとうございました。アイリスは頑張ってくれるでしょうか? やっている方としてもとても
楽しみです。
そしてこの間(といっても大分前ですが)許可を頂いたかえすみココアネタ、無事本日アップ致しました。
なんかこう……あんなかわゆいすみれ様を見せて頂いたのにこんなんでいいのか? という感じで
もうホントごめんなさい(土下座)

酒の勢いであんなことやこんなことになっている妄想、しこたましたことがありますよ(ヲイ)
羞恥心と制約上上げられないので、妄想するだけ妄想して会話文だけ書き起こして放置しているのですが、
ここ最近本当にマリかえを書いていないせいか無性に大人向けな裏ネタが書きたくてしょうがないです。
(いや、勿論上げられる方のほのぼのいちゃこらネタも妄想しますがね……)

しかしここで問題が…書いたところで誰も見せる相手が居ないという(笑)
相方様はすみれちゃん関連しかそっち系は読ませられないし、だからといってアップする訳にもいかず……。
だからといってお忙しい隊長に、唐突にヤマもオチも意味も無い裏なマリかえを送りつける訳にもいかず……、
そんなこんなで一歩踏み出せないままでいます。
もう開き直って完全自己満足用の掃き溜めとでも銘打って書いてしまおうか……悩むところですね。

セラ○ンネタにも反応ありがとうございました!
昔がまこちゃんとちびうさ、現在だとヴィーナスって……本当にドンピシャでしたね(笑)
姫はそこらじゅうにしこたまビームを放てばいいと思います。レニがきっとフォローしてくれるさ!
ちなみに私は亜美ちゃんが好きでした。
Sの2人の世界のお2人は…オトナになってから好きになって少し前までハマってました。
……こんな脳内変換したら、また見直してニヤニヤするしか無いですよね。DVDBOX出ないかしら。

そして現在『ランブルローズ』をプレイ中とのことで。
どこかで聞いたことがあるなぁと思っていたら、昔買ったゲーム雑誌に載っていたのを見た記憶があります。
あの時は『どんなゲームだw』と思ったものですが、まさか愛さんが出演なさっていたとは……。
それだけでもう18禁どころの騒ぎじゃないような気がします個人的に。

でもって、現時点でゲーム自体は未プレイですので隊長のブログで様子を探っているのですが……
如何せんどんなキャラなのか分からないので、ブログに書かれる「ううっ・・・あぁっ!」などの声が全部
かえでさんで脳内再生されて大変です。
(その上更に『いいな~マリアはそんな声毎晩聞けて』とか思う辺りで脳内腐ってると思いますすみません/
 更に申し訳無いことに愛さんのキャラが女医ということで、教師の方をマリアにして大妄想してしまいました
 ごめんなさい・土下座)

そんな色っぽさ絶好調な愛さんの声は是非聞いてみたいのですが、取り敢えず手元の積みゲリストにある
『ポポロクロイス2』でショタ声を堪能してからにしようと思います。
……さて、崩せるかどうか(ヲイ)

それでは、今日はこの辺りで失礼させて頂きます。メッセージありがとうございました!



→えーこ様
メールありがとうございました! また後ほど返信させて頂きますね!
セラ○ンパロ妄想、さらに素敵イラストまで頂きニヤニヤしっ放しでございます。
生足のかえでさんは、マリアでなくても是非拝見したい。きっと敵さんを釘付けにしてくれること間違い無しだと
思います。
大丈夫ですよかえでさん、あなたの足には百万の敵を釘付けにする力が……!
(もう何を言っているんだ私は! すみません・土下座)

しかしマリアさんはホントにハマりすぎだと私も思います。金髪で短髪、長身だし……スポーツカーもクサイ
台詞も似合いすぎてどうしようですし。
サクコレのイラストでもありましたが、薔薇しょって立てるのは彼女くらいだと思います。
まさに理想の王子様! (そしてそれをぶっ壊すのがこのサイト……ごめんなさい)

それでは、またメールにて妄想返信致しますね(迷惑な!)
それでは、メッセージありがとうございました!

【拍手返信(くらゆき)】

→1月26日、23時45分頃にメッセージを下さった方
し、白鷺に姫路城との関連があったのですか! 不勉強な私は全くもって知りませんでした……。
歴史は平安期だけ無駄に詳しいだけですので、戦国~江戸辺りはゲーム内の知識程度しかありません。
その為、このサイト名の由来もそういう隠喩にはなっておりません、ごめんなさい。
(一応意味は無くも無いのですが、凄く下らない洒落なのですよ)

出身は日本の真ん中の地方で、相方様と私は隣同士の県に住んでおります。
ちなみに私の出身県には海がありません(山ばっかりの場所にござります)。

お騒がせして本当に申し訳ありませんでした。ですが一つ勉強になったので私としては嬉しい限りです。
もしよければ、また二つの繋がりについて教えてください!

それでは、メッセージありがとうございました!



→颯太様
セラ○ンネタに反応して下さって、ありがとうございます! いやぁ、やっぱり知名度は偉大ですね(笑)
私は過去にマーキュリー派でしたので、きっとレニがマーキュリーなら最も愛でていたでしょう。
しかし原作の彼女はどんどん壊れていくので……後々の彼女はレニと掛け離れていると思います。
ス○ーズでアイドルのファンクラブか何かに入っていませんでしたっけ……?
レニならきっと『くだらない……』とか言って全く興味なしかと思われます(笑)

素直なちびムーンは是非一家に1人欲しい。というかアイリスが一家に1人欲しいです。
……やっぱりロリコンなのでしょうか?(キモイ)
マリかえは、マリアのビジュアル的にも当サイトの傾向的にもこれしか無いだろうと思ってああなりました。
かえでさんのミニスカ、物凄く見たいです。勿論パンチ…おっと、命が欲しいので止めておきます(笑)
でもってあやめさんの養護教諭は、きっとデコツンしてくれるんですよ?
違う意味で教室なんかには帰れませんよね! パヤパヤ☆(更にキモイ)

そしてプレイ日記もお読み頂き、ありがとうございました!
確かにマリアさん、カンナさんが薄着なせいかあまりプロポーションで目立ちませんよね。
オンドレ様みたいな衣装だとやっぱり着込んでいるのでしょうか? 
でもサラシはあり得る話だと思いますよ。舞台上では男性なので、あまり胸が目立ってはいけませんものね。
(……しかしそのせいで、彼女以上に少女マンガ的なカッコよさがあるキャラが居ないという。大神クンより
 絶対カッコイイと思います。カンナもだけど・笑)

すみれ様はもうホント面白くってどうしようかと思うくらいです(笑)
ヒロインにすればもっとシリアスな場面も窺えるのでしょうが、如何せんまだ序盤なので……。
出る度に吹きます。そしてぶーたれた顔を『可愛い』と愛でます。
しかもカンナさんがカッコイイ方が目立っているせいでギャグじゃないんですよね。
(むしろショウのカンナさんが面白すぎるんですよね・笑)
そのせいで彼女のギャグさ加減が際立ってしまうという……。ホント、すみれファンの皆様ごめんなさい。

大神クンと立場が変われたら……そうですね、取り敢えず特に1人に絞らず隊長としての責任を全うしながら、
かえでさんをひたすら目で追い続けていたいです!(断言)
任務とかで同じ部屋に2人きりとかになったらきっと発狂します(キモイ)
でもって暴走しすぎて大告白してしまって、拳銃持ったロシア人に撃ち殺されるのがオチだと思います。
覗き、は……チャンスがあれば(やるのか!)

剣心の薫ですか、懐かしいですねぇ。アニメ見ない子供でしたが、これだけは毎週見てました。
後々コミックスも揃えたりして……今でもたまに読み返しております。
ちなみに私の黒髪好きは『ラブひな』という作品の『青山素子』から始まっておりますよ。
さっくらさんはあれで言い切り口調、且つマリアさんっぽい性格だったらツボドンピシャでしたね!
まあ、今ではあのさくらさんじゃなきゃしっくりこないんですが!
それでも「黒髪+ポニーテール+袴+赤いリボン=さっくらさん」の図式は間違ってないと思いますよ?

それでは、メッセージありがとうございました!


→飛竜彩女様
熱きのあやめさんのお話! どこかしらで目にしました(笑)
デートなんですか! そ、そんな……!
そんなことしたらきっとテレビ画面の前で出血多量で死んでいる私が発見されます(キモイ)
いいですねぇ大神くん、そんな目に遭えて羨ましい。
早く立場変わってくれませんかねぇ?(笑)

逆に『君ある』のかえでさんEDは、めっちゃ事務的だったとどこかで目にしました。
……何でそんなガードが固いんでしょう? やっぱりどこかのロシア人に原因が!?
それともお姉ちゃんが悪い虫(変態な大神クン・笑)がつかないように常に見張っているんですかね?
取り敢えず、3が先に出てしまいましたが開発は何よりも早く2のリメイクをすべきだと思います。
(そしてOPはモトホシとかえでさんの(改3)だともっと嬉しいのですが……)

でもって4は是非、かえでさんとゴールインなEDを作ってくださいマジで!
ロシアの人に負けずに頑張るから、頑張るから……!

……おっと、何かが乗り移って暴走してしまいました。ごめんなさい。

カンすみは意地っ張りでお互いツンツンしているくらいが素晴らしいのに、かえすみは無駄にベタベタして
おられるのがツボです。
やっぱり『すみれ様じゃかえでさん(+マリア)には勝てないだろうな』という思い込みが起因している
のでしょうか? ほっほっほ~って高笑いしてもスルーされそうじゃないですか? この2人には……。
そしてカンすみのラブラブっぷり……もう漫画でもゲームでも舞台でもあるんだから公式なんじゃない
でしょうか? 他が目を皿のようにして探して妄想で補うくらいしなきゃいけないのに、カンすみに関しては
フィルターをかける必要が無いですもんね。
……やるなぁ、セ○。

プレイ日記も方もお読みいただけたようで、ありがとうございました!
好感度の順位によって変わるイベントって、やっぱり存在するんですね。
その辺が全く分かっていないのできっと面白かったらぼこぼこ打ってしまうと思いますので、皆様是非その辺
のアホさ加減を推理してみてくださいね(笑)
更に個人的ギャグの帝王すみれ様(笑)が面白すぎるせいで、フリーの他キャラのイベントを全て吹っ飛ばして
しまうという……なんとも大変な状況になっております。
プレイ直後にメモを見返しても、すみれ様しか詳細に覚えていないということも多々あります。
……さすがだ、トップスタア(違っ!)

そして3話ですが、ええ私個人としては……カンナに惚れました。
というか、めっちゃカッコイイじゃありませんかあの人! すみれ様じゃなくても惚れますよ!
更にもっとギャグ方面に特化するのかと思えば、何気にマリアとは違う路線の正統派なカッコよさの
ままで……『もう私のハートのライフは0よ!』という感じです。
ああ、カンナ……キミはこんなにカッコよかったんだね。
ごめん、何か凄いギャグだと思ってた。まさかすみれ様の方が面白いなん(ry

マリアとカンナの場面は、2人の信頼関係を垣間見ることができたようで素敵でした。
ああいう絶対的に信頼できる人がいるのは羨ましいですよね。
あの2人は、絶対に他の人が入れない絆をきっと持っているような気がします。
カッコイイなぁ……男の友情のようだ(マテ)

セラ○ンネタ、反応ありがとうございます。
ええ、変態は、変態です……(笑) もうデレ顔の大神クンを見た時点でそれ決定してしまいました。
全国の大神くんファンの皆様、誠に申し訳ありません!

それでは、メッセージありがとうございました!



それでは以下からかえすみ話になります。
誕生日ネタの続きになりますので、そちらを先に読まれた方がほんの少しだけ楽しめるかもしれません。

でもって、相変わらずのベタベタっぷりなキャラ崩壊百合話でございますので、危険を感じられた方は
回れ右をしたほうがよろしいかもしれません。

では、心の準備ができた方はどうぞお進みくださいませ~……。

【本日の戯言32】
『新・愛ゆえに』で最初のさっくらさんのソロ曲を最後皆で歌っているんですが、その歌詞が『ラブラブ』とか
言っちゃってとっても恥ずかしいです(笑)
しかも振りで両手でハート作っちゃってるという……。

おもっくそ脳内でかえでさんを思い浮かべながら踊ってるマリアさんを想像した辺りで、もう自分は駄目だと
思いました……(さて、救急車はまだかな?)




+++++++++++++++


『銀座で直立歩行』の塩絡み様が、すみれ誕生日ネタのかえすみ版に素晴らしい妄想を加えて下さった
 ので便乗してみました。勿論許可は受けましたのでご安心をば。
 でもって前の話の続きなので、コチラを読んでからの方が楽しめるかもしれません)


昼間から降り続いていた雨は夕方には徐々に雪へと変わり、街全体を少しずつその色に染めてゆく。
そして帝都の街全体がゆっくりと白く染まっていく様子を、すみれはサロンで一人じっと見つめていた。

「すみれさん、まだお休みにならないんですか?」

風呂から上がったばかりなのだろう。
普段は結い上げられた髪を下ろし肩にタオルをかけたさくらが、未だ普段着のままでいるすみれにそう
問いかける。

「ええ……もう少ししたら私も休みますわ。気になさらず、先にお休みなさい。」

すみれはさくらの方をチラリと見やってそう言葉を返すと、すぐにまた窓の外に視線を戻した。

「は、はい……お気遣いありがとうございます。すみれさんも今日は寒いですから、早めにお休みに
 なってくださいね。」
「貴女に言われなくても、分かっておりますわよ。」

視線を動かさないままで、すみれはさくらに再び言葉を返す。
その言葉こそ普段の彼女らしいつっけんどんな言い回しであったのだが、そう言う彼女はどこか
心ここに在らずといった様子であるようにさくらには思えた。


しかし、さくらにはそんな彼女をどうすることもできない。

「はい、すみません。……おやすみなさい、すみれさん。」

さくらはただそう言って深々と一礼するだけであったのだが、すみれはじっと窓の外を見つめたまま、
ついに彼女に言葉を返すことは無かった。
 
 

劇場内の人々の殆どが眠りに就いてもなお、外に降る雪は止むことを知らずしんしんと降り続いていた。

劇場の入口にも数センチの雪が積もり、普段とは違う様相を呈している。
明日の朝には、メンバー総出で雪かきが行われることとなるのだろう。

そんな真夜中の人気のない入口の扉が突然かちゃりと音をたてて開かれ、その中からすみれが
辺りを見回しながらひょっこりと顔を出した。

自分の他に人が居ないことを確認した彼女は、雪の掛からない屋根の下に立って後ろ手に扉を
ゆっくりと閉める。

そして、凍りついてしまうかのような寒さにぎゅっと目を閉じた。
露出している肩に羽織を掛けただけの格好では、冷えてしまうのも無理はない。

何も着けていない手に自らの吐息をかけたすみれは、やがて視線を道の遥か先へと向ける。


そこには、ただ雪が降り積もるのみ。


そんな風景にすみれは大きなため息を吐き、寒さでかじかんできた両手を擦り合わせた。


すると、突然白い雪と闇だけに覆われていた彼女の目の前の道が明るいライトの光によってに照らされる。
その眩しさに一瞬目を細めたすみれであったが、すぐに自らの身を柱の影へと隠した。


その裏から、彼女はじっと光の様子を窺う。
するとその目に、見慣れた一台の車がこちらへと向かって来るのが見えた。

すみれは一度だけ身を乗り出してもう一度車をじっと見つめると、すぐに劇場内へとその身を滑り込ませる。
そして中にある窓からじっと外を見つめ、劇場の前に停車した車の中から小さなトランクを片手に持った
人物が降りてくるのを、その目でしっかりと確認した。

彼女はそれと同時に文字通り一目散に階段を掛け上がると、自室に飛び込みその勢いのままで扉を
バタリと閉める。
思いの外響いてしまったその音に彼女は驚き目を見開くが、他のメンバーの気配を扉の外に感じないことを
確認すると、ほっと胸を撫で下ろした。

すみれは息を整えながらゆっくりとベッドへと近づき、着物の裾に皺が寄ることも気にせずにそれに向かって
うつ伏せに倒れこむ。

そして表面のシーツをぐっと強く握ったまま暫く顔をそれに擦り付けるようにしていた彼女は、やがて
寝返りをうつようにして仰向けになると、天井を見つめふっと息を吐いた。
 
月の無い夜、部屋を照らすのは街灯の淡い光のみ。
それに照らされた彼女の表情は、照れたような微笑みであった。
 

 
「明かりも点けないで、どうしたの?」

寝転がったままの彼女の耳に突然声が響き、すみれは慌て起き上がる。

その視線の先では、今劇場に戻ってきたばかりのかえでがにっこりと笑っていた。

「の、ノックも無しにいきなりお入りになるなんて失礼ですわよ!」
「ノックなら、ちゃんとしたわよ?」

まだ驚いた際の動悸が収まっていないすみれはそう喚くが、かえでは全く動じること無く言葉を返して
部屋の戸を閉める。

「そ、それなら私が返事をするまで……」

部屋に入ってきたかえでに対し、すみれは更に口を尖らせて文句を言おうと再びわめく。

「だって、嬉しそうに笑ってるあなたが気づくのを待ってたら、朝になっちゃうじゃない。」

だが、やはりかえでが動じることは無い。


彼女は手に持っていたお盆をテーブルに置くと、先程までの自身の行動を見られていた事を知り
真っ赤になって動揺しているすみれの横に腰を下ろした。

そして、固まったままのすみれの身体をぎゅっと抱きしめる。

「こんなに冷たくなるまで、待たせてごめんなさい。」


つい先程まで外に居たためにその芯まで冷えきっていたすみれの身体に、かえでの体温がゆっくりと
染み込んでくる。

「べ、別に待ってなど……」

暫くの間それに身を寄せていたすみれであったが、すぐにかえでの身体を押し返すと顔を真っ赤に染めた
ままで彼女の言葉を否定した。

「手もこんなに赤くなって、寒かったでしょう?」

しかし相手の言葉など耳にも入らない様子で、かえでは今度はすみれの冷たい手を取って言う。

そして、その手の甲にはぁっと自らの息を吹き掛けた。

「だ、だから私は……」

そんなかえでの行為にさらに顔の色を赤くしたすみれの声には、もう先程のような威勢のよさはない。

かえではそんな相手の手に暫く息を吹き掛けたあと、自らの手でぎゅっと両のそれを包んだ。

すると彼女はふと視線を上げ、林檎のように真っ赤に染まったすみれの方を見上げる。

「あら、お風呂も入らないで待っててくれたの? 後で一緒に入りましょうか?」
「か、かえでさん……」

未だ着物姿のままの相手を見て言ったかえでの誘いであるが、それでもすみれは威勢のない声で
その言葉に反論しようとする。

すると、かえでの口元にふと今までとは違う雰囲気の笑みが浮かんだ。

「……そういうへそ曲がりなコトを言うなら、入口の鍵くらいちゃんと締めておきなさい。」

そんな彼女の口から出た言葉は、すみれのへそ曲がりを打ち崩す決定的な証拠。

「そ、それは私ではありませんわよ!」
「足跡、少しだけど残ってたわよ。」
「うっ……」

それでも食い下がるすみれに、さらにかえでが追い討ちをかけると、彼女は遂に口ごもる。

「裾も少し濡れているみたいだし、あなた以外に居ないでしょう?」

そう言ってかえではすみれの着物の裾に視線を落とし、言い訳の効かない最後の追い討ちをかけた。

「で、でも……」

自らも相手につられるようにして裾を見たすみれであったが、それでもぱくぱくと口を動かして言葉を探す。

しかし、その声は「くちゅんっ」という小さなくしゃみの音に遮られた。

「ほら。……風邪ひいちゃうわよ。」

鼻を手で覆ったすみれの目の前に、かえでがテーブルに置いたマグカップを差し出す。
その顔には、まるで自らの子供を見つめる母親のように暖かい笑みが浮かんでいた。

「な、何ですの……?」

ぐずぐずと鼻をすすりながら、すみれはかえでね手からマグカップを受け取る。


それと同時に、彼女の鼻を甘い香りがくすぐった。

「ココアよ。あなた、甘いの好きでしょう?」

かえでの言葉を聞きながら、その香りに誘われるようにしてすみれはカップの縁に口をつける。

なめらかなミルクの味と砂糖の優しい甘味が、彼女の口いっぱいに広がった。
それと同時に、未だ冷えたままであったその身体の内側が、ほんのりと暖かくなる。

「……これでは甘過ぎますわよ。」

美味しいとは思いながらも言い負かされた悔しさが少しだけ残っているすみれは、再びそんな天邪鬼な
言葉を相手に向かって呟いた。

「いいじゃない、たまには。素直に甘くなってなさい。」

トゲの生えたすみれの言葉をするひとかわしたかえでは、自らも手にとったもうひとつのマグカップに
口づける。

そんな相手の様子を見たすみれは、やはり自分の心の内を全て読まれているのだと痛感し
二の句が継げない。

しかしそれを認められるほど素直になれない彼女は、口を開くかわりにカップのココアを半分ほど一気に
飲みほした。

そして唇をカップから離しほぅっと彼女が息を吐いた時、ふと自らの顔に陰かかかったような気がして、
すみれはゆっくりと顔を上げた。

その瞬間に、彼女の唇が柔らかいもので塞がれる。

そんな唐突な出来事にすみれが目を見開いた時、その口内に甘く温かいモノが流れ込んできた。

「やっぱり、少し甘すぎたかしら。」

唇を離すなり、かえではそう呟いて笑う。


口移されたココアをゆっくりと飲み下したすみれにもまた、そのたった一口が今までのそれと同じものである
とは思えない程、それは甘く感じられた。

「ただいま、すみれ。」

彼女が口の中のココアを飲みほしたのを見計らって、かえでが今更とも思えるようなことを呟く。

「……」

すみれは暫く無言ですっかり甘くなってしまった口の中の味を変えるように、ゴクリと自らのココアを
一口飲み込んだ。


甘すぎる一口の後のそれは、やはりほんの少しだけ落ち着いた味であるように感じる。

「……お帰りなさいませ、かえでさん」

そんなことを思いながら、すみれはやっとかえでに向けて言葉を返したそのままその視線を、
まっすぐに相手の方へと向ける。


そうしてかえでがにっこりと微笑んで見つめた彼女の顔には、先程のたった一口のココアと同じ、
甘ったるい微笑みが浮かんでいた。


+++++++++++++++
自分の誕生日に朝っぱらから出張に出るかえでさんをぶーたれながらも見送った数日後、今度は帰ってくる
彼女をまだかまだかと待つわんこのようなすみれ様の話。
ああ、何故こんなに子供チックになってしまうのか(泣)

それにしても、ココアは甘すぎるので私あんまり飲まないのですよ。専らコーヒー専門。紅茶大好きすみれ様は、『紅茶=甘い匂いがする』という私的方程式のせいで甘党になっております。

でもって最後に、あんなかわゆいすみれ様イラストにこんなキャラ崩壊なブツを付け加えてしまって
すみません隊長! 見事に恩を仇で返してしまいました(土下座)
でもこれに懲りずにまたお暇な時にでも、妄想で遊んで頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
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全体的に女性キャラ同士が非常に仲の良い描写が含まれること、更に製作物によってはキャラが崩壊していることがございますので、観覧の際はご注意下さるようお願い致します。

その上最近はCPが節操無し状態になっておりますので、より一層ご注意願います。

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