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夜中に慣れないお酒を飲むものではないですね。
昨日のうちに書こうと思っていたのに、気付いたら朝でございました。

その上変なところクリックしてしまったせいで、かなりの量を書いたのに全部消えたっていう笑えない状況!
……頑張って、もう1回書こうと思います。


さて、今回はすみれ様の誕生日ということで。
個人的なことでございますが、最近私の中ですみれ様の株はうなぎ上りでございます。

……まあ、十中八九は相方様のお陰でございますが!
(彼女がハマりたての頃から、毎日のようにすみれ様のお話を聞かされておりました・笑)

ですが、私の中でも前々からすみれ様は気になる存在でございました。
元々カッコイイお姉ちゃんキャラがお気に入りなので、目立ってカッコイイマリアやカンナ贔屓だったのですが、
表面上はお美しくって高飛車でも、中身は凛としてカッコイイすみれ様は好きなキャラの1人でした。

しかし最初にCPとしての彼女を考えたのは、ゲームのヒロイン的な大すみでも、最早王道(?)となっている
カンすみでもなく……マリすみでした。

むしろかえでさんに大ハマりするより以前は、個人的ナンバー1の組み合わせがマリすみでした

そのため、ハマった当初は必死でマリすみプッシュのサイト様を探しておりました。
だって男役と女役のトップであり、「黄金コンビ(漫画版すみれ様曰く)」なお2人なんですから、1件くらい
あってもおかしくないと思っていたんですよ。

……結果、おかしかったのは自分だと気付いたんですけどね。

確かに、
「絡みが少ない」というのは中の人公認でございますよ。
「黄金コンビ」でも「雲雀の歌」以外にデュエット曲ございませんですよ。
しかもその「雲雀の歌」の演目は、ショウでもドラマCDでも日の目を見ることはありませんでしたよ。

そんなドマイナーCPだったので未だにあまり見かけることは無いのですが(むしろあったら教えてください)、
絡みが少ないからこそショウの舞台上でお2人が絡んだだけで幸せになれます。

例えば引退公演での背中合わせとか。
また『新・愛ゆえに』ですみれ様にそっけないマリアさんとか……。

あとは『新・青い鳥』で、帝劇を後にするすみれ様を追いかけたのがマリアさんだけとかね!
でもってその後かえでさんの件をすみれ様から知らされたのが、マリアさんだけとかね!
(そう考えると、『新・青い鳥』って色んな意味でニヤニヤできますよね。)

とまあ、そんな風で。
表面上は全く絡んでいないものの、心の中ではお互いを誰よりも信頼しているマリすみが大好きです。
(といいつつ、うちでマリすみを書くとマリアさんのドSが先行してしまって妖しくなってしまうのですが…)

何だかんだですみれ様語りというよりマリすみ語りになってしまいましたが、残りのカンすみやら
かえすみやらは、きっと心底すみれ様ファンである相方様が盛り沢山に語ってくれることだろう
と期待して、この辺りで閉めさせていただきます。

すみれ様、本当におめでとうございます。
いつまでも凛としていてお美しく、且つ高飛車で天邪鬼な貴女でいてくださいね(ヲイ)


さて、今回の目玉記事(?)を書き終えたところで少々近況をば。
先日今年最後の発表を終えましたので、少々雑用はあるものの春先までは時間が取れるようになりました。

ただ春を過ぎると週末にちょろっとしか更新ができなくなるのは確実ですので、この暇な時間のうちに
少しでも多く更新できればと思います。

しかし、元来モノカキの私は毎度ネタを披露することもできませんし、だからといってキモイ話題ばかりを
提供するのも気が引けます(今までもそうじゃねえか、というツッコミは無しの方向で)。

なので、少しでも話の種となるように、ある秘密兵器(?)を購入して参りました。

090112_1049~01.jpg

買って参りましたよ。
『サクラ大戦1&2』と『サクラ大戦3』を……!
(リアルタイムでハマれなかった分、お安く手に入るのは少し嬉しい)

うちにはセ○のハードが無いので4はPC版を買おうと思っていたのですが、見当たらなかったので今回は保留。
新年の誓い(?)を早速実践しようと思い、金曜の夜に購入しました。

あばうとやなんかにもある通り、私は相方様の勧めで『紅蜥蜴』を観て以来サクラにハマったのですが、
今の今までゲーム版に触れたことが無かったのですよ。
というより本筋のストーリーに関わるメディアには、漫画版以外ほぼ触れていない状態でした。
(大昔に帝都版『前夜』と『劇場版』を拝見したくらいで……)

なので今回、この暇な時期を使ってできるところまでクリアしてしまおう、ついでに1回やってみたかった
『プレイ日記』とやらをつけてみよう……と思い立ったのですよ。

しかしプレイするなかで問題(というほどでも無いのですが……)がひとつ。

『サクラのゲームをプレイするのはいいが、私は一体どのキャラ狙いで進めればばいいんだ!』
ということです。
(まあ、3では以前から何故か『グリを落とす!』と意気込んでおり、4ではヒロインを決めない『大神エンド』
 を目指そうと思っているんですが)

相方様のように1人確実なキャラが決まっていればいいのですが、私、唯一のそういうキャラが
『かえでさん』なんですよね。

落とせないじゃん……(泣)

となればやはりマリアか、最近好感度うなぎ上りのすみれ様かとなるのですが……。

前者は個人的に落としたいより『落とされたい』(ショウのマリアさんの影響かと・笑)、
後者は『相方様と同じことしてもなぁ……』と思ったりして。

じゃあ自分じゃなく大神さんの相手と考えて、それならメインヒロインのさくらかとも思ったのですが……
でもそれなら他のキャラも引っ掛けてみたいという妙な私欲が沸き上がり。

一体誰を引っ掛ければいいものか(振り出しに戻る)。

まあそんなこんなで、個人の変なこだわりのせいで色々と悩んだ結果、

敢えて『特定のキャラを狙わずに自分の感性だけでプレイしてみよう
と思うに至りました。

つまり、Lips(でしたっけ?)やなんかで選択肢によっては好感度が上下する。
特定のキャラ狙いなら、敢えてそのキャラの好感度が上がりそうな選択肢を選びますよね。
そうではなくって、キャラを特に狙わずに自分が「これだ!」と思う選択肢を選ぼうと思うのですよ。
それで、最終的にヒロインを選ぶ段階で、有無を言わさず1位のキャラを選んでみる。

勿論、好感度が上がらなければ見ることができないイベントやなんかもあると思うので、そういうのは
確実に見逃してしまうと思うのですが、まあそれも一興です。

そんな感じで、私はサクラ大戦の初プレイをしてみたいと思います。

しかし、その他にも『私はシュミレーションゲームが壊滅的にヘタクソだ』とか、『ミニゲーム絶対できない!』
とか『チラっと相方様にやらせて貰った2でマリアに怒られたのが結構なトラウマになっている』やら、
『かえでさんの部屋に入り浸りた(ry』とか何やら問題はあったりします。

でもまあ、楽しんでプレイできればと思っております。



そしてここでちょっとだけ余談。

こんな感じでクリアを目指そうと思っているんですが、こうすると1位って一体どうなるんでしょうね?
何週かプレイしている方ならある程度予想できるかと思うのですが、少なくとも初プレイの私には
全く予想できません。

なのでいっそ、ここをご観覧の皆様に予想していただいてはいかがかと。
見事当てた1名様には、賞金……は無理なので『何でもリクに答えちゃうよ』とか。

うちはキリリクとか一切やっていないので、たまには世界を広げる為にそんな企画をやってみても
面白いかなぁ……なんて。
(CPとしては個人的に書くことができないキャラ同士の組み合わせでも、コンビとしてなら書けますし。
 じゅうはちきんは…ここには上げられませんがメールでOKなら書けますし…)

そんな妙な企画ですが、いざやるぞ!って宣言したらどうなるんでしょうかね。

え、『賞品はイラストがいい?』
……相方様を口説き落としてくだされば、ちょっとした挿絵くらいは描いて頂けるかもしれません。
皆様、頑張って相方様を口説き落としてください(笑)



まあ、そんな世迷い事はそういう声があればやってみようと思うだけでございますので、もしご要望があれば、
拍手という名の突っ込みでお気軽にその旨をお伝えください。
(ちなみに、相方様が当てたら私は相方様のリクでネタを2本オフで提供することになっておりますのことよ!)


そしてグダグダになりそうな予感がひしひしと感じられるプレイの模様は、どちらにせよプレイ日記として皆様に
提供したいと考えております。
お付き合い下さるかたは、次回以降(順調に進んで多分次の次くらい?)ご期待下さいませ。


(あーあ、宣言しちゃった…まだ某RPGクリアしていないのに! すんませんがこれだけはクリアさせて
 下さい……!)

ではでは、長くなりましたが各種返信の後は、すみれ様の誕生日ラストの『カンすみ』です。
前2本より長いですが、前2本より百合っぽくないです。
それでも一応その要素は含みますので、苦手な方はご注意下さいませ。


【私信】

→塩絡み様
こちらこそ私信返すのが毎度遅くってすみません。
というか毎度更新が遅いのがうちのサイトですので、気になさらなくても大丈夫ですよ。
むしろ毎日のようにストーカーさせて頂いておりますので、こちらとしては毎日の更新の度にウハウハです(笑)

クリスマスネタやら大晦日やら、取り急ぎでわーっと書いたものを上げてしまったのですが、
楽しんで頂けたようで幸いです。
マリかえ版は山下達○の例のクリスマスソングがネタの根本だったりします。
マリアさんが1人きりなんてありえないと思ったので、あんな感じになりました。
きっとあの後はどこかでいちゃこらするのでしょう。
外は寒いので教会の中……いや、不謹慎ですね(笑)

かえすみ話に至っては素敵な妄想を頂いてしまって……。しかもイラストまで!
もし宜しければ、ココアネタを書いてアップしてもよろしいでございましょうか?
無駄にベタベタするだけでしょうが(ry


でもってパラレルの話……ご賛同ありがとうございます!
いや、前々から「マリアとかえでさんをひとつの部屋に閉じ込めてみました」的な現代版同居パラレルを
書きたくてしょうがないのですよ。
原作設定で大人組の2人が皆と触れ合ったり、また皆にバレないようにコソコソといちゃこらするのも
勿論楽しいですが、大人数で同居な上に舞台女優と軍人じゃできないこともあるじゃないですか!

上手く言えないですが、そういうのを全て取っ払ったマリかえが書いてみたいと思いまして。
それじゃマリアとかえでさんじゃ無い!と言われればそれまでですが、マリアとかえでさんだからそういうネタを
書いてみたいというのが本心というか。

……妙に語ってしまってすみません(汗)
でも、そういう設定にするとかえでさんが妙にかわいらしくなってしまって困っております。
いいのか、これで……?

取り敢えず、マンションか何かの小さい浴室で身体洗いっこするのは王道ですよね。
半纏を2人で……!『笑え!』で2人羽織りが見られなかったからですね! 分かります!
(でも見られたら見られたで理性を保てる自信がありませんが・笑)

幻水設定集了解しました~。
えーこさんとも相談して、カラオケ大戦の日程を決めなければいけませんね。
ただ、殿下達は居るには居るもののちょっと扱いが小さくて淋しかったです(涙)

現在あとちょっとでクリアかと思われるところまで進みましたので、鉱山に居る蛾でレベルを上げつつ
3人セットで育てていきたいと思います。

それでは、メッセージありがとうございました!


【拍手返信(くらゆき)】

→飛竜彩女様
かなり遅ればせながらですが、バイトお疲れ様でした!
私の地域では、やはり県内と県外では1日差があるみたいです。
相方様の年賀状が周りの友人達より遅くに届いたようなので……。

まあそれはともかく、年賀状が円滑に配布されるのは飛竜様はじめ働いている皆様のお陰ですよね。
本当に、ありがとうございました。

タイムマシンがあったら……取り敢えず90年代アニメを観ますね。
愛さん達も全盛期でしたし、そんな時代に私は何をやっていたのか!
ドアがあったら毎日帝都に行きますね。賞品の入れ替えが頻繁だったのに驚きましたので。

取り敢えず、今から2112年が楽しみです(いや、死んでるから)

トークライブに全員揃ったら……それはお2人も仰っておりました。
大神さんをモギリで置くとまで仰っておりました(笑)
しかし物凄く豪華なモギリですよね……中の人は立ってたら。ビックリして固まりそうです。
席は私もよくなかったのですが、あの広さなら後ろのほうでも全然大丈夫でしたよ。

正月ネタ、お楽しみ頂けたようで幸いです。
やはりマリアですか……想像するならマリアかレニがしやすいかなぁと書いてる本人も思っていたのですが。
ちなみに相方様はすみれ様とレニで悩んでおられました。
まあ、その辺りは皆様にお任せしますので……自分が一番ニヤニヤできる人をご想像くださいませ。
(しまった、あやめさんという選択肢を残しておけばよかった…と思ったのはナイショです・笑)

それでは、メッセージありがとうございました!



→颯太様
はじめまして! こんな辺境な上に節操なしなサイトをご観覧頂きありがとうございます。
今世紀とは……! まだ残りも多いでしょうに勇気を出していただいて……どうもありがとうございました!
更にリンクも貼って頂けたとは、本当にありがとうございます!

何か、最初なのにひたすら御礼を言っている感じですね(笑)
それくらい、感謝感激な心持ちでございます。

さて、すみれ様誕生日ネタをお楽しみ頂けたようで、書いた方としても幸いです。
物凄くサディスティックなマリアさんでございますが、基本うちのマリアさんはSなので(笑)
特にすみれ様はいぢめ甲斐があるのですよ、きっと。
……そんなマリすみで、というかマリアさんですみません。

暖かいお言葉もありがとうございました!相方様共々頑張っていきたいと思います。

それでは、またお気軽にメッセージを送って頂ければ幸いです。
メッセージありがとうございました!


それでは、すみれ様誕生日ラストの『カンすみ』です。
うっすらとした百合要素が苦手でない方は、どうぞお進みくださいませ。

【本日の戯言27】
先程の記事で書き忘れましたが、大神さんの「身体が勝手に…!」は全部見ようと思います。
覗きますよ、ええ覗きますとも……!

たとえかえでさん覗いた後、背後に銃持ったロシア人がにっこりと黒い笑みを浮かべて立っていようがね!




+++++++++++++++


食堂で行われている宴の喧騒から抜け出すと、普段と同じ筈の廊下がカンナにはやけに静かに感じられた。
誰も居ない階段を上り、誰もいない廊下を彼女は一人歩く。
そしてふと彼女が立ち止まったのは、ある部屋のドアの前。

それは勿論、彼女自身の部屋ではない。


ドアノブに手を掛けゆっくりとそのドアを開けると、自室とは違いしっかりと整えられたその部屋の室内の様子が
彼女の目に飛び込んでくる。

カンナはきょろきょろと辺りを見回して誰もいないことを確かめると、その中に身を滑り込ませて
後ろ手で静かにドアを閉めた。
 
彼女では考えられない程高価なものが並んだ部屋の中を脇目も降らずに真っ直ぐに通り抜けて、
彼女は部屋の奥にある机の前に立つ。

そうして暫くその天面を見ながら固まっていたカンナであったが、やがて意を決したかのような表情で
その懐から小さな包みを取り出した。


それは包装こそ少しだけくたびれてはいるものの、きらびやかなリボンに包まれたそれは
紛れもないプレゼント。
包装がくたびれているのは、元来ガサツなところがある彼女が無造作に扱ったせいである。


カンナは暫くそれを摘まんだままでじっと見つめ、そして深いため息と共にやっと机上にそれを置いた。
そのまま逃げるように机の前を離れると、すぐに部屋を出てドアを強く閉める。
 
閉じたドアに背を預け息を吐いたカンナの頬は、ほんの少しだけ赤く染まっていた。
 
 
+++++++++++++++

 
「じゃあ、私はお金を払ってくるから。」

カンナが親友のマリアと共にその雑貨屋を訪れたのは、師走の寒い日の昼間のことである。
年末年始の買い物のついでにそこに立ち寄ったのは、年の始めが誕生日であるふたりのメンバーを祝う
パーティーのため。
まだ少しだけ時期は早いものの、混雑や店の閉まる時間をマリアが考慮してのことであった。

「ん。じゃあ、あたいはその辺で時間潰してる。」


手に荷物を抱えたカンナは、パーティー用の装飾品を持ったマリアに向かってそう言葉を返すと、
特にあてもなくフラフラと店内を歩き回る。
荷物を下ろして座ることのできる椅子があればいいのだが、町外れの小さな雑貨屋に
そのようなスペースは無いらしい。

しかしだからといって食料品も入っている荷物を床に置くことはできないため、カンナは仕方なく
店の入り口のすぐ横で、壁にもたれて立っていた。


特にする事も無かった為何の気なしに辺りを見渡すと、小さな店の割には繁盛しているらしく、
店の中に何人もの人が居るのが彼女の目に映る。

そして奥のレジに目をやれば、マリアが会計を待つ列に並んでいるのが見えた。

その前にはあと二人。

あともう少しだけ、時間は掛かるようである。

ふっとため息を吐いたカンナは、今度は人ではなく物に視線を向けた。
店には装飾用の飾りの他にも、マグカップなどの食器や衣類なども置いてある。

品揃えの多いのは確かであるが、どれもこれもカンナにとっては興味の無いものであった。

だが、暫く興味の無さそうに商品の上を撫でているだけであった彼女の視線が、ふとある商品の上で止まる。
カンナは暫くじっとそれを見つめ、やがてゆっくりとその足でその商品の方へと近づいていく。
 
彼女が足を止めたのは、左側に小さなリボンの付いた、青い色の『カチューシャ』であった。
 


そんな彼女の脳裏に浮かぶのは、頭の『カチューシャ』がトレードマークのひとつである仲間の姿。
顔を見ればすぐに口喧嘩を繰り返している、彼女にとってはいけ好かない筈の存在であった。


だが、そんな人間がカンナの脳裏に鮮明に思い浮かぶ。

今彼女目の前にあるカチューシャを付け、にっこりと微笑んだその姿が……。
 

 
「……あら、可愛いじゃない。」

突然のその声は、カンナの意識を一気に現実へと引き戻した。

「……っびっくりしたぁ。脅かすなよマリア。」


すぐに視線をカチューシャから外したカンナは相手に対してそんな不満を漏らすが、
当の本人の耳にそれは届かなかったらしい。

「あなたが付けるとは思えないけど……」
「何であたいがこんなモン頭に付けるんだよ。アイツじゃあるまいし。」

訝しげな顔で自分の方を見上げた親友にカンナは思わず手を振って否定しようとしたものの、
両の手にある荷物がそれを許さない。

その為ただ言葉だけで否定の意を述べただけのつもりであったのだが、その口からはぽろりと
彼女の本音が顔を覗かせた。

「……そうね、すみれになら似合いそうね。」


マリアの言葉でカンナはそれに気付いたものの、時すでに遅し。

「だから、見てたの?」


にっこりと含みのある笑みを浮かべたマリアは、カンナに向かってそう問いかけた。

「なっ、何でそうなるんだよ……」


彼女はすぐに否定したものの、図星を突かれているために思わず言葉を詰まらせてしまう。
そこを、マリアが見逃す筈がない。

「だって、あなたが自分からこういう物を真剣に見ているなんて……それくらいしか思いつかないもの。」
「だ、だからって何でよりによってあのサボテンなんだよ!」
「それを最初に匂わせたのはあなたじゃない。」
「そ、そんな訳ねぇだろ!」

マリアの追求に耐えかねたカンナは、思わず大声でそう叫ぶ。

まるで舞台の上であるかのように発せられたその声は、彼らの居る小さな店の全体に響き渡った。

元々日本人離れしたその背と整った顔を持つ二人である。
入店した当初から他の客の目を引いてはいたのだが、カンナのその声のお陰で
更に目立つ存在となったようである。

「声が大きいわよ。」


整ったその眉をしかめ、マリアが囁く。

「ま、マリアが変なこと言うからだろ……!」

思わず自らの口を塞いだカンナが、その指の隙間から小さな声で呟いた。


マリアはそんな相手の様子にため息を吐くと、ふと視線をそのカチューシャへと落とす。
そしてその左側に付いているリボンに軽く触れると、展示してある台からカチューシャを外して
カンナの方へと差し出した。

「でもせっかくの誕生日なんだし……買ってあげたら?」
「はぁ? な、なんであたいが……」

唐突なマリアの言葉に、カンナは大きく目を見開く。

それもその筈で、相手のその誘いは彼女の脳裏に全く浮かびもしなかったことなのである。

「いいんじゃない? たまには。」


そんな彼女に対し、相手は更にそう言ってカチューシャを突き出してくる。

「……」


カンナはマリアの顔と、その手にあるカチューシャを交互に見つめた。
 

 
見つめれば見つめる程、カンナの脳裏にははっきりとすみれの姿が映る。
それはまるで、そのカチューシャが最初から彼女の為に作られたかのようで……。
 
他の誰よりもすみれによく似合うと、彼女は思った。
 
 

カンナは半ば引ったくるようにして、マリアの手から強引にカチューシャを奪い取る。

そしてもう一度それを見つめると、荷物の一部をマリアに渡しながらこう吐き捨てた。

「……仕方ねぇ、分かったよ。マリアがそこまで言うなら。」

後ろのポケットから財布を取り出し、カンナはマリアの表情を見ずに踵を返す。

「はいはい。」

そんな彼女の背中を見て苦笑いを浮かべたマリアは、先程とは逆の立場となり、カンナをレジへと見送った。

 
 
その後ちゃっかり贈り物用の包装を施されたカチューシャは、受け取り主の誕生日である今日、
送り主によってその部屋へと届けられたのである。
 
だが、送り主は自分の名前を、そのプレゼントには残さなかった。
 
 
+++++++++++++++

 
「あれ~カンナどこ行ってたの?」

再び食堂へと戻る為カンナが階段を降りると、小さな箱を抱えたアイリスが彼女に声を掛けた。

「ん、ちょっと……な。それ、アイツにやるのか?」
「うん、この間さくら達と一緒に買ってきたんだ。」

相手の問いには答えないままでカンナがそう問いかけると、アイリスは抱えていた箱を彼女の方へと
差し出して微笑む。

その中には、少女なりの想いの詰まったプレゼントが入っているのだろう。

「ふぅん、そっか。」

カンナはそれを見つめると、アイリスの頭を軽く撫でる。
するとアイリスは彼女を見上げ、首を傾げて問いかけた。

「カンナはあげないの?」

その言葉に、カンナはにっこりと微笑む。

「あのサボテン女にやるもんなんてないね。」

立ち上がりざまに彼女の口から出た言葉は、普段と同じ憎まれ口であった。

「え~、せっかくすみれの誕生日なのにー。」

いかにも残念そうな表情で言うアイリスに向かってもう一度微笑むと、カンナはゆっくりと
食堂に向かって歩き出す。

そしてその後を追って食堂へとたどりついたアイリスは、やがて彼女がその扉を開けると、
プレゼントを渡す相手の方へと駆けていった。
 

 
『せっかくの誕生日に、プレゼントもあげないなんて……』
 
それでいいのだ、自分と彼女の関係は……とカンナはアイリスの後ろ姿を見ながら思う。
あの小さなプレゼントを贈った相手は誰にも、そう受け取った相手にも謎のままで居ればいい。
 
その方が、自分達には合っているのだから。
 


「さーって、今日は食うぜ!」

カンナは席に着くや否や、目の前にある豪華な食事を自分の皿へと移し始める。

「カンナさん、貴女はいつも食べているじゃありませんか。」

するといつものように、カンナの方にはお決まりの文句が飛んできた。
普段ならば、すぐに一戦を交える筈のその言葉。


しかし彼女の口元には、何故か笑みが浮かんでいた。

「うるせーやい」

彼女がそう返すと同時に怒鳴って来る今日の主役に背中を向けて、カンナはいつもより豪華なメニューを、
豪快に口に運ぶ。

彼女の親友が腕を振るったそのメニューは、やはりいつものように美味しかった。
 

その姿を睨み付けるように見つめる今日の主役が、その小さなプレゼントに気づくのは

……もう少し、先の話。


+++++++++++++++

「8.小さなプレゼント」
『気付いて、気付かないで』 (配布元:『勿忘草』様 )

人生初、お題というものに手を付けてみました。
しかしこのネタはカンすみしか無いだろうと思ったもので……。
マリかえやらかえすみやらを総動員して、コンプできたらいいなぁ……と思っております。
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こちらは、わとことくらゆきの二人が運営する「サクラ大戦」の帝都ごった煮二次創作サイトです。

全体的に女性キャラ同士が非常に仲の良い描写が含まれること、更に製作物によってはキャラが崩壊していることがございますので、観覧の際はご注意下さるようお願い致します。

その上最近はCPが節操無し状態になっておりますので、より一層ご注意願います。

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