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一瞬間に合わないかと思いましたハロウィン。
しかしながら今朝方に相方様の更新を見つけ「これで『間に合わなかった、テヘ☆』とかやったら殺されるよな」
という危機感を感じ、死に物狂いで完成させました。
いや、オフを知っている身としてはこの時期にあれだけアップしたのは凄いと思いまして……
(何時の間に描いたんだ?本当に)


何よりもまず、こういう時イベントの際の自称モノカキは何をすればいいのか……誰か教えてください。

しかしさすがに、

「Trick or treat.!」(お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ!)

ということで、お菓子をくれなかったかえでさんに悪戯するマリアなんぞ書いた日には、サーバーからも
相方様からも追放されてしまうと思い、こんな形にしてみました。

という訳で、悩んだ末のハロウィンネタです。
いちゃつき度は比較的少ないと思いますが、全く無いとも一概には言えませんのでご注意ください。

それでは、いつものように私信と拍手レスの後からお進みくださいませ~。

【私信】

→塩絡み様
長文を最後まで読んでくださってありがとうございました!
最後はやっぱりマリアさんは報われないと可哀想な気がしまして、ああいう終わり方になりました。
お喜び頂けて幸いです。

できればもう少しかえでさんをエ○くさくしたかったというのは、ここだけの話です(笑)



【拍手返信(くらゆき)】

→飛竜彩女様
いつもメッセージありがとうございます!
冬からバイトですか、面接(なのかな?)は緊張すると思いますが頑張ってくださいませ。

サクラ2がもしもリメイクされて、かえでさんEDがもしもあるならば……私はきっと何よりも先に彼女を
落とすでしょう(笑)
可愛いですよねかえでさん。何で彼女だけ未だに落とせないんでしょうか?

リッチなかえでさん、平○堂に引き続きセブン○レブンでも見つけました。
ちょっと見かけたコンビニやらスーパーに入ってみると、案外あるかもしれませんよ?
かえでさんがバナナなせいで、最近バナナの文字を見ると手にとってしまう自分が痛いです。
……でも仕方ない、気になってしまうんだから(開き直り)!

誕生日や長文に叫んで頂けて、こちらとしては嬉しい限りです。
もしよろしければ、いつでも叫んでいってくださいね(笑)

それでは、メッセージありがとうございました!


それでは、以下よりハロウィンネタです。
皆様、心してお進みくださいますよう……。

【追記兼相方様へ】
ツっ込み変更しました。
相変わらず文章ですすみません。

一応前の続きみたいな形となっております。よろしければお気軽に……。


【本日の戯言15
そういえば、明日の今頃はイベントに行っているんですよね。
きっと3日間全部用も無いのに居たりすると思います。怪しい奴してます(笑)

やっぱりグッズにかえでさんがあるのかどうかが最大の焦点ですよ。
……それによってお金を使うかどうかが決まってきます、いやはや。
しかし、私グッズに金掛けない人間だったことに最近気付きました。さて、どうするべきか……



 



+++++++++++++++

『ハロウィンの夜』

次の公演の宣伝を兼ね、花組で『ハロウィン』を模したパレードをしよう、という案が出されたのは
つい先日のこと。『ハロウィン』とはいっても仮装した面々が菓子をねだるという訳ではなく、
次回公演の宣伝用のビラを配りながら銀座の街を一周するというものである。

しかし、この行事は未だ日本には浸透しておらず、実際諸外国で人々が仮装するものも
殆ど知られてはいない。
それを考慮し、今回彼らが仮装をするのは『ジャックランタン』のようなメジャーなものではなく、
『日本のお化け』を模したものにしようという決定がなされた。
 
そして、ハロウィン当日。
初めての試みである為か、衣装の到着が遅れるというハプニングに見舞われたものの、
どうにか花組の面々は下準備を整えた。

各自が指定された衣装に着替え劇場の正面玄関に集合する時間は、パレード開始の三十分前。

しかしそれよりもずっと早く、玄関の前には三人のメンバーが既に着替えを終えて集まっていた。
 
 
+++++++++++++++

 
「わー、織姫綺麗だねー。」

その一人であるアイリスが、傍らの織姫を見上げて感嘆の声を上げる。
彼女は普段の真っ赤な洋風のドレスではなく、薄手で真っ白な着物姿。
更に普段は結い上げられている髪を下ろしている為、いつもより幾許か落ち着いているように見える。

「当然でーす! でもアイリスの『座敷童子』も可愛いですよ。」

アイリスの言葉に織姫は胸を張って満足そうな表情をすると、そのお礼とでもいうように相手の姿を褒める。

「うん、よく似合ってる。」

すると、その場に居たもう一人の人物であるレニが、にっこりと笑ってそれに続いた。
織姫と同様、アイリスの格好もまた普段とは違う。
トレードマークのリボンは赤色になり、衣服はふわふわとした洋服ではなく子供用の着物。
そしていつも肌身離さず持っているジャンポールは背中に背負われ、代わりにその手には
鞠が抱えられている。

「えへへ、ありがとう。でも『ワラシ』って何なのかなぁ……?」

普段よりも少し大人びて見える少女は照れたような笑みを見せた後、そう言って首を傾げた。
するとすぐに、レニがその問いに答える。

「『童子』は昔の『子供』っていう意味だね。」
「成程、子供のアイリスにはぴったりでーす!」

パチンと指を鳴らして織姫が言うと、つい先程まで笑っていたアイリスの表情が変わった。

「あー! 織姫、アイリス子供じゃないよー!」
「でも、『座敷童子』は人を幸せにしてくれる精霊だって言われているくらいだから、
 とってもいいオバケなんだよ?」

ふくれっ面のアイリスを宥めるようにレニが柔らかい口調でそう呟く。
その知識はハロウィンのイベントが決定した日、皆が仮装するお化けの資料を探していたかえでを手伝った際
に得たものであった。

「うーん、そうなのかなぁ……。」
「大丈夫でーす。アイリス『座敷童子』似合ってまるからね。」

首を傾げるアイリスに対して、織姫は少々的外れなことを呟く。
それは彼女なりの励ましだったのだが、如何せんその相手は首を傾げたままである。


しかしそんな事を気にする様子の無い織姫は、今度は視線をレニに向けると、
彼女が持っている長い棒の先端を見上げた。

「で、何でレニは先っぽに『トイレットペーパー』をくっつけた棒を持ってるですかー?」

彼女の言葉に、アイリスもつられてその棒を見上げた。

織姫の言うように、レニは細長い棒を手に持っており、その先端では白い紙がだらりと垂れ下がっている。
よく観察すれば、片面には目のようなものがマジックで書かれていた。
そしてそれを持つレニの格好は、一昔前の忍者のような黒い服と、顔を覆う為の黒い布……
所謂『黒子』である。

「『トイレットペーパー』じゃない、『一反木綿』。」

他のメンバーとは違い、レニは自らが担当するお化けを自分で決め、そして自分の手で創り上げた。
着ているものは勿論そうではないが、彼女が本で実際に見た『一反木綿』は、確かに今棒の先端にあるそれに
そっくりだったのである。

「でも『トイレットペーパー』でーす!」
「……『一反木綿』。」

あくまで『素材』に拘る織姫に対し、レニは無表情のまま、しかし頑なにそれがお化けであると主張する。
そんな二人の言い合いの間に、ふとアイリスがこんな質問を投げかけた。

「レニ、『一反木綿』ってどんなオバケなの?」
「夜に飛んできて、首に巻きついたり顔を覆ったりして人を襲う妖怪。」

二度目のアイリスの質問にも、レニは丁寧に切り返す。勿論、出典は先程と同じもの。
彼女の当て推量の発言ではない。

「へ~。日本には『トイレットペーパー』のオバケが居るなんて、やっぱり不思議な国ですね。」

棒の先端の紙をつつきながら、織姫がそう呟く。レニの言葉を信じたのか否かは定かではない。

「雨の日とかに溶けないのかなぁ。」
「……」

尤もらしい事を呟くアイリスと、自称『一反木綿』を広げ始めた織姫を、レニは黙ったままで
じっと見つめていた。
 
 
 
そんな他愛も無いやり取りをしながら暫くの時間が過ぎる。

「まだ誰も集まってこないね。」

窓の外を見ながら、ふとアイリスが呟いた。

「皆さんおっそいでーす。何をモタモタしてるんですかねー?」

それに引き続いて織姫が、フンっと鼻を鳴らしながら言う。
確かに彼ら三人が来てから未だ誰も玄関に現れる気配は無く、そろそろ変化の無いこの状況に
彼女は飽きて来たのだろう。

「まだ集合まで時間があるから。僕達が早く来すぎたんだと思う。」

近くにある時計を見つめながら、レニが冷静な口調で言った。
彼女の言うとおり、未だ時間は幾許か残っているのだ。この後から来たところで何の問題も無い筈である。

「じゃあ迎えに行くでーす。ついでにお菓子も貰ってきましょう!」

起伏の無い状況を打破する手立てを思いついた織姫が、そう言って片手を上げるが、
彼女の顔がうきうきと輝いている理由はそれだけではない。
織姫にとってのメインイベントは、仮装をすることではなく『お菓子を貰う事』なのだ。
そして実際に、彼女はその約束をメンバー全員に取り付けている。

「でも、マリアが『お菓子はパレードが終わったら』って言ってたよ?」
「大丈夫、前だろうが後だろうがそんなに変わらないでーす。」

普段母親のような素振りの仲間の言葉を思い出したアイリスが不安そうに言うが、
そんなことは彼女の壁にはならないらしい。

「それに、皆さんがどんな格好になったのか、今のうちにゆっくり見てみたくありませんか?」

未だ不安の取れない様子のアイリスに向かい、織姫がにっこりと笑ってそう誘った。

今後集まった後でも他のメンバーの衣装は見られるのだが、舞台の時とは違い
それを着ているのはほんの一時のみである。
その上街中に出た後は、他の衣装を見ているような余裕は無いのも事実。
そして戻って来た後も、皆が仮装のままで居るとは限らない。
 
つまりじっくりと他の仮装を見るチャンスは、今しか無いのだ。

「うん、アイリスも見たい。」
「レニも行くですか?」

普段とは違う衣装を着たメンバーを見てみたいという欲求が勝ったアイリスに同意を得た織姫は、
次は未だ表情の変わらないレニに向かって問いかける。

「うん、いいけど……。」
「よーっし、じゃあまずは……」

未だ首を傾げたままのレニの言葉を是と受け取った織姫は、早速踵を返したのだが……
その言葉は、突然劇場内に響いた爆発音によって止められた。

「紅蘭でーす。」

すぐに発生源を特定した織姫が、未だ音が反響している劇場内でそう叫ぶ。

「また失敗したのかなぁ……?」
「とにかく、行ってみよう。」

不安げに紅蘭の部屋のある方向を見るアイリスをそう促したレニは、既にそちらに向かって走り出している
織姫の後を追った。


+++++++++++++++
 
 
「アカン、またやってしもた……」

もくもくと黒い煙が漂う室内で、紅蘭はぽりぽりと頭を掻きながら溜息を吐く。

「紅蘭、大丈夫?」
「ああ、アイリス達はもう着替えたんか。エライ気合入っとるな~。」

駆けつけたアイリスがその様子を見て心配そうに呟くと、振り返った紅蘭はそう言って笑顔を向けた。
どうやら、今回も大事には至らなかったらしい。

「そうでーす。これからお菓子を貰いに行くんですよ。」

和服の袖をひらひらと振りながら言う織姫は、誰よりも嬉しそうである。

「ああ、そういえばそうやったな。まあ、ウチももうすぐ準備できるさかい、すぐ行けるで。」

床に飛散した部品のようなものをかき集めながら言う紅蘭を見つめながら、レニがどこか不安げな表情で
呟いた。

「でも、さっき爆発したのって……」

その視線の先には、和服を着た女性の人形が一体、無造作に床に転がっている。
それは先程の爆発の為か、衣服や顔が黒ずんでいた。

「これが『ろくろ首』ですかー?」

織姫がその顔を拾い上げ、まじまじと見つめる。

「せや。美人な姉さんの首が伸びて人を驚かすんやで。」

紅蘭が手に人形の肌と同じ色の部品を持ってそう説明した。どうやら、それが首の部分であるらしい。

「それは面白いでーす。日本には怖いだけじゃなくってこんなに面白いオバケが居るんですねー。」
「……でも、このお人形、とっても怖いよ。」

ケラケラと笑いながらはしゃぐ織姫とは対照的に、アイリスはそう言って一歩人形から距離を取った。
確かに彼女の言うとおり、黒ずんだその人形の顔はどこか不気味に見える。

「そうですかー?」

しかしそんな雰囲気も織姫には通用しないらしく、未だに髪や顔をいじって遊んでいる。
そして、ふとアイリスの視線が人形の顔から外れた時。

「ばー!」
「わあああああああ!」

織姫が大声で叫ぶと同時にアイリスの顔の目の前に人形を突き出した為、驚いたアイリスは
尻餅をついてしまった。

「あっははははは、アイリスは怖がりですねー。」

その様子に大笑いしながら、織姫は倒れてしまったアイリスに手を差し出す。

「あーん! 織姫ひどいよ~……」

その手を取ったアイリスは、目に涙を浮かべながら不満気に織姫を見つめた。

「まあまあそう喧嘩せんと。それ貸してや、この部品を繋げば上手くいく筈やで。」

二人を宥めるように言った紅蘭が、織姫から人形を受け取る。
そして首を身体から取り外すと、器用に部品を継ぎ足し始めた。

「もうすぐ時間だけど、大丈夫?」

壁にある時計を見ながら、レニは不安げに問いかける。

彼女と同じように仮装を自作すると言った紅蘭の仮装は、言わずもがな今彼女が作っている
『ろくろ首』なのである。
先程爆発してしまったのがそれであるならば、間に合わない可能性を拭う事ができない。

「ああ、それは心配せんでもええで。さっきはちょっと火薬の分量が多かっただけや。」

そんなレニの心配を他所に紅蘭はあっけらかんとした様子でそう言うと、魔法のような速さで
散らばった部品を組み立て始めた。
その手つきは、やはり劇場の機械すべてを任されているだけはある。

しかし、そんな頼もしい彼女の様子を見ながらも、レニはこう思わずにはいられなかった。


どうして『ろくろ首』の仮装に火薬が必要なのか、と。

「じゃあ、僕らは邪魔にならないように、違う所に行こうか。」

しかしそれを問いかける事無く、レニは未だ『ろくろ首』の人形が怖いか否かについて言い合っている
二人に向かってそう言葉で促す。

「はーい」
「そうですねー、じゃあ何処へいきましょうか?」

すぐにアイリスはそう返事をし、一方の織姫は部屋のドアからきょろきょろと辺りを見回した。
すると、人形と向き合っていた紅蘭がふと顔をあげてこんなことを言い始めた。

「せやったら、すみれはんを説得してくれへんか? あの人まだ今回の配役に納得いっとらんかった
 みたいでやな、ついさっきまでカンカンで大変やったんや……。」

彼女の言葉に、一同は一斉に首を傾げる。

「すみれさん……って、今回のパレードで一番前を歩くんでしたよねー? 何の格好するんでしたっけ?」

顎の下に人差し指を当てた織姫が、誰にでもなくそう問いかけた。

「えーっと、確か……『お婆ちゃん』?」
「……」

アイリスの言葉にレニは何かを思い出したような顔をした後、ふぅと一つ深い溜息を吐いた。
 
 
+++++++++++++++

 
「どうしてこのトッッップスタアの私が『砂かけ婆』なんですの!」
「あっはははっ! それだけ似合ってりゃいいじゃねえか!」
「カンナさん! それは私に喧嘩を売っていらっしゃるんですの?」
「別に売ってねえよ!」
「ふんっ、自分は『子泣き爺』のくせに。」
「ケッ、言うんじゃねえよ。アタイだってじいさんの役は勘弁して欲しかったんだからよ!」
 

ドアが開け放たれたままのすみれの部屋の前の廊下には、ヒステリックな彼女の声と少々不満気な
カンナの言い争う声が響いている。

「あー、また喧嘩してるー。」

そんな普段通りの二人に向かい、アイリスが部屋を覗きながら怒ったようにそう言い放った。
それに気付いたのか、二人はふんっと鼻を鳴らすとお互いにそっぽを向く。

「でもすみれさん、とってもよく似合ってまーす。おばあちゃんですけど。」

一旦は黙ったすみれであったが、織姫のその言葉は彼女の堪忍袋を再び爆発させるのには
十分な燃料だったらしい。

「きぃいいいいいいいい! お黙りなさい! 全く、今回の配役の意味が分かりませんわ。
 どうしてこのイタリア娘が『雪女』なんですの!」

再びヒステリックに叫んだすみれは、真っ白な和服姿の織姫につかつかと歩み寄る。
その表情は般若そのものであるが、彼女に怒鳴られることが日常茶飯事の彼女は全くもって怯む様子が
無い。

「それは私がすみれさんよりも似合ってたからでーす!」

すみれの目の前でくるりと回転した織姫は、まるで写真でも撮るかのようなポーズを取ると、
にっこりと微笑んでみせる。

「どこにこんな品が無くて騒がしい『雪女』が居るとおっしゃるんですの!」

対するすみれはさらに気を悪くしたのか、だんだんと床を踏み鳴らしながら大声で織姫を怒鳴り返した。

そんな彼女の服装はといえば、普段の着物よりもずっとくすんだ色の着物に履物。
そして机の上には後々頭につけるのであろう「白髪の鬘」が置かれていた。

「でもまあ、『雪女』って言やぁ色白で静かな姉ちゃんって感じだよな。」

騒ぐ二人を遠巻きに見つめながら、カンナがぽつりと呟く。

「うん。マリアの方がよく似合うと思う。金髪だけど。」

その言葉に、レニは納得したようにこくこくと頷いた。

彼らの言うとおり、一般的な『雪女』のイメージは雪のように白い肌をした美しい女性なのである。
織姫も確かに美人ではあるのだが、太陽のような彼女を象徴するかのような褐色の肌は、
如何せんこの配役には合っていない。

「でも、カンナもよく分からないね。」

そしてカンナもまた、自分の割り当てられた配役に首を傾げている人物の一人であった。

「だろ? アタイみたいのが泣いたって誰も抱き上げねぇよな。」

そんな風に呟きながら頭を掻くカンナの衣装は、昔の赤ん坊が着せられていたような菱形の腹掛け、
そして肩には藁のようなものが掛けられている。
更に鼻と下と顎に白い髭。

「カンナとすみれはどんなオバケなの?」

そんなカンナの顔を見上げたアイリスが、首を傾げながら彼女に問いかける。

「ん? えーっと確か、アタイの『子泣き爺』は夜中に道端で泣いて、抱き上げた奴の上で重くなって
 潰しちまうんだ。」
「すみれの『砂かけ婆』は名前の通り人に砂を掛けて、その砂に当たった人が病気になるって
 言われてるんだよ。」

腕を組んで暫くの間の後に少女に問いに答えたカンナに続き、レニがすみれの配役を付け足す。
当の本人は未だ、一方的に織姫を怒鳴り散らしていてそれどころでは無いのだ。

「へぇ……」
「でもアイリスの『座敷童子』は似合ってんな。」

二人の説明を聞き声を漏らしたアイリスの頭を撫でながら、カンナがにっこりと笑う。

「む~、アイリス子供じゃないもん……。」
「ははっ、そうだったな。」

カンナの言葉に不満気なアイリスであったが、その様子は怒っている訳では無いようだった。

「じゃあ、まだ二人共着替えが済んでいないみたいだし、次に行こうか。」

暫くの間その様子を微笑ましげに見ていたレニであったが、ふと時計を見てそうアイリスを促す。

「うん。」
「織姫、置いていくよ~」

アイリスがこくりと頷いたのを見たレニは、未だすみれと言い合っている織姫に向かい、
そう声を掛けたのだった。



+++++++++++++++
ここで一旦切ります。文字の量が多すぎたとのこと。
……お手数ですが後編に進んで頂ければ幸いです。
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