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【注意!】
タイトルにあるように、この先の文章は「つづきもの」の第2幕になります。
もしも、私の文章を読んでやってもいいという天使の心を持つ方がいらっしゃいましたら、
最初に下の記事に最初に目を通してくださいますよう、よろしくお願い致します。

++++++++++++++++

さすがに最初からつづきものの導入だけでは申し訳ないと思いますので、
もう少し先までを投下しようと思います。

お手数を掛けさせてしまうことを、心よりお詫び申し上げます。

(注意書きにある通り『百合(マリかえ)・キャラ崩壊(特にマリア)』の傾向が強い作品になって
 おります。クリックをする前にもう一度よくお考えになってから先に進むことをお勧めします。)

 【本日の戯言・1】
(妄想大爆走の私が、単にふと思いついたネタをつらつらと書くだけの場所です。スルー推奨。)

「バナナはおやつに入りますか?」
「いいえ、主食です。」

どちらが誰の台詞かは敢えて書きませんので、皆様の好きなようにご想像くださいませ。
(ちなみに、「つづきから」の内容には全く関係ありません)



+++++++++++++++

『迷走の先の真実』



「あ~ちっくしょ、腹減ったぜ全く。」

待つに待つこと一時間。
食堂に居た面々の殆どが姿を消し、レニに連れられて織姫が顔を出した頃……
やっとカンナが食堂に姿を現した。
既に一度風呂に入たのか、普段なら無造作に立っている筈のその髪が水に濡れて垂れ下がっている。

「あ、カンナさーん。おはようございま~す!」

食事を半分程胃の中に流し込んでやっと覚醒したのか、織姫は食べている途中にも関わらず
カンナに元気よく挨拶をする。

「ん、何だ織姫が起きてんのかよ。そりゃ腹減る訳だぜ。」

普段の織姫の様子を見ているカンナは、腹を摩りながらそう呟いてカウンターへと足を運ぶと、
自分専用の巨大な容器に山ほど並べられた食事を運んでくる。


そんな彼女の様子を、マリアは全く見てはいなかった。
ただじっとその後ろを……誰がどう見ても誰も居ないドアの向こうを、穴が開くほど凝視していたのである。

カンナの後について現れる筈の人物が、その扉をくぐるその時の為に。

だが、待てど暮らせどドアが開くことは無い。

「……随分長い間、稽古をしていたみたいね。」

仕方なくマリアは扉から目を逸らし、既に全体の半分程食べ終わったカンナに溜息混じりに話しかけた。
表情こそ変わらないものの、その声に覇気は無い。

「おうマリアまでここに居たのか。とっくに射撃場か図書室にでも行ってると思ってたぜ。」

マリアがかえでにしか注目していなかったのと同じように、カンナもまた食事にしか目が向かなかったらしく、
今初めて彼女の存在に気付いた様子である。

「いや~、格闘技使うのってこの中じゃあたいだけだろ? だからいっつも一人で稽古してたんだけどよ、
ひっさしぶりに人相手に稽古したもんだから面白くって……つい熱中して長引いちまった。」

未だその時の興奮が忘れられないのか、カンナは口の中に物が入っているにも関わらず早口で喋りだした。
更に食べる手も止める事ができない様子で、話の合間に無理やりご飯を掻き込む。

すみれが居れば釘を刺すのだろうが、かえでの顔を見られることを期待していたマリアは
すっかり意気消沈しており、それを注意する気力すら残っては居ない。
頬杖を付いてただ無表情に、その上生気の無い目で彼女を見たまま何も言おうとはしなかった。

「カンナ、喋るか食べるかのどっちかにしなよ。」

その様子を察知したのか、レニがそう言ってカンナに釘を刺した。
これがすみれならばカンナは減らず口の一つも叩いたのだろう。
しかし相手がレニである為、彼女は素直に謝り口を噤んで中のものを飲み込む。

「しっかもかえでさんの強ぇの何のって。絶対入れたと思っても避けられてんだよなぁ……。」

すっかり口の中を空にしたカンナは、まるでその時のことを思い出すかのようにして再び話し始める。

大藤流合気柔術……カンナの話を半ば上の空で聞いていたマリアの頭に、ふとこの言葉が思い浮かんだ。
カンナの使う空手とは違う、柔よく豪を制すを具現化したような武術である。
マリア自身は受けたことが無いものの、かえで本人やその姉であるあやめ、そして実際に受けたことのある
カンナや大神の話から、彼女がその使い手であることは知っていた。

そして、彼女の腕がかなりのものだということも……。

「そんなに強いですかー?」

すっかり食事を終えた織姫が、目を輝かせてカンナに問う。
彼女も武術を使う訳では無い為、かえでとこのような稽古をした経験が無いのだろう。

「うん。僕も教えて貰ったことがあるけど、本当に強いよ。すぐ投げられちゃう。」

護身術程度に武術を使えるレニのそれは、もしかしたらかえでによって教えられたのかもしれない。
そんな彼女の言葉に織姫も信じたようで、すぐに一度見て見たいと言って騒ぎ始めた。

「だろ? ありゃ武術大会に出たらイイトコまでいける腕だぜ……勿体ねえなぁ。」

カンナは本当に惜しそうな様子でそう呟くと、再び口に茶碗の白飯をかき込み始める。

冗談ではない……とマリアは心の中で思った。

彼女のような誠実な武術の使い手ならともかく、賞金や名誉目当てに出場した輩にかえでが負けるなど
マリア自身は全く思ってはいない。

だが、彼女の言うような大会の主な参加者は男である。
そして全ての人間がそうであるとは限らないが、少なくともその中の一部には不届き者が居るということが
悲しいかな世の常なのだ。
そんな野獣達の真っ只中にかえでを放り込むことなど、マリアに耐えられる筈が無い。
どうこうされることなど持っての外だが、視線に晒すことすら鳥肌が立つ程嫌である。

どうしてもというなら自分が代わりに……。

そこまで考え、ふとマリアは自らの考えが脱線していることに気付いた。
今は、武術大会に彼女が出ることを協議している場ではないのだ。

「……で、そのかえでさんはどうしたの?」

もやもやとかえでに関することを考えていたせいで、マリアの中で更に彼女に会いたいという気持ちが
強くなる。
それはついさっきまで無気力であった彼女を復活させる程であったらしく、付いていた肘をテーブルから外して
彼女の所在をカンナに問いかけた。

「ん? 何か隊長が話があるって呼びに来てそのまま行っちまったぜ。
 しかし悪い事したなぁ……かえでさん、朝飯食ってねえぞ。」

空腹に耐えている彼女を想像し可哀想に思った反面、マリアはそれを好機だと捉えた。

大神との話であるなら重大な話し合いが行われている可能性が高い為、すぐに向かうことはできない。
それならば、昼頃に支配人室に向かい彼女を昼食に誘えばいい。

そうすれば会うことができるどころか、二人きりになれるのだから。
夜まで待たなくても、少しだけ恋人に戻る時間を得る事ができる。

「そう、ありがとう。」

そんな計画を立てたマリアは一気に活力を取り戻し、カンナに礼を言って席を立つ。

「どこ行くですか~?」
「図書室へ行ってくるわ、少し調べたいことがあるの。」

織姫の問いかけにそう答えて、マリアは踵を返してドアへと向かう。
 
 

 

あと数時間で会うことのできる筈の、恋人としての彼女の顔を心に描いて。


+++++++++++++++

うちのマリアの本性が見えて参りました。

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