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皆さま、明けましておめでとうございます。
…いや、おめでとうございまし、た。

年明け早々遅刻かまして申し訳ないです。
でも個人的には日付変わって6時間以内に上げられたのが奇跡! …なので許して下さい(土下座)

さてさて、そんな遅刻かましましたがすみれ様おめでとうございまっす!
よく考えれば去年も遅刻してた毎年申し訳無い。
年末の忙しさによる反動で正月だらけてしまったツケが一気にくることが原因な気がします。
来年こそは、間に合いたい、な!

そして最後に、クリスマスに拍手ありがとうございました!
更新さっぱりなのですが、毎度拍手ページを見てニヤニヤしつつ申し訳なく思いつつ。
とにかく、毎度励まされております。ありがとうございます感謝感謝!


それでは、すみれ様誕生日今回はかえすみです。
毎度この日は相方様リクエストなのですが、去年は年少組だったかな?
久し振りすぎて書き方忘れつつも、いつも通りいちゃこらしてる感じです。

それでは、どうぞお楽しみ下さいませ~!

注意
・かえすみの百合でございます
・引退後の話です

【本日の戯言81】
広告めちゃ邪魔だよなぁ……と思いつつ。
前回半年前とかねえ、更新しなさすぎじゃないかと思ってます申し訳ない。
ちなみにその半年間に紐育やりたくなったりしました。まだ手を付けられてないけど…orz
でもってラチェかえ素晴らしくね? とか思ったりしてました誰か創作して下さいラチェかえ!
ああ、勿論マリかえは通常運転です。常に飢えておりますよええ……
自分のマイナーっぷりに涙する日々さどちくしょう!!


+++++++++++++

年明け早々に降った雪は帝都の地面を普段よりも厚い白で覆い、その光景に子供達が歓声を上げたある日。
銀座大帝国劇場でも、朝早くから同じように賑やかな声が響いていた。
降り始めた頃から空を見つめ続けていたのは、メンバーの中でも年若い二人。
だが彼等が朝早くから庭に足跡を付けていると、いつの間にかカンナもそれに続いていた。
雪の無い沖縄で生まれ育った彼女にとってもまた、この白い魔法には心を踊らせる効果があるらしい。

するとそれに続いて、さくらが完全装備で雪かきを始める。だが単純に雪を積み上げていたのはほんの数分
のみで、気付けば彼女も雪掻き代わりの雪だるま作りに参加していた。
やがて4人がそれを完成させると、彼等の声に起こされた大神と紅蘭が中庭に顔を出す。
こうしてメンバーの多くが顔を揃えればやがて始まることはひとつ。

そして最後に中庭に出てきた二人が雪玉を投げることに夢中になり身体が暖まってきた頃になって、
皆の様子を見にマリアが顔を出した。
彼女の表情は勿論冬の寒さに強張る事なく、暖かい笑みが浮かんでいる。

 
そして彼女と同じような表情を浮かべていたのは、厨房でコトコトと鍋の音を響かせながら料理をしていた
かえでであった。広いが故に今日のような日は特に冷え込みが厳しい場所ではあるが、今は鍋から出る
湯気のお陰かそれとも調理をする人物が醸し出す雰囲気のお陰かそれは一向に感じられない。

そして冷たい空気の代わりに、厨房の中には食欲をそそる出汁の香りが辺りに充満していた。
鰹節の効いたそれを吸い込めば、食欲旺盛なカンナで無くとも腹の虫が鳴き出すに違いない。
なぜなら起床してから一口も食べ物を口にしていないかえでもまた、もう何度もその訴えを耳にしていたの
だから。

「……もうそろそろいいかしら」

鍋の中で踊る鰹節を見つめていたかえでは小さくそう呟くと、手早くそれらを捕まえて外に出す。
そして再び火を灯すと、既に下茹でを済ませた根菜をその中へ入れる。そして菜箸で軽くかき混ぜていると、
既に聞き慣れてしまった音がまた厨房の中へと響いた。

だがかえでは、これまでのように自らの腹に手を触れようとはしない。
その代わりに口元に悪戯な笑みを浮かべ、嫌味な程に時間を掛けてゆっくりと後ろを振り返った。

「あなたもお腹、空いちゃった?」

顔を真っ赤にして腹の辺りを両手で抑えている人物を視界に捉え、かえではそう問いかける。
すると相手は恨みがましい視線を彼女に向け、何か言いたげに口をぱくぱくさせる。
メンバーの誰よりもプライドが高い為何かしらの言い訳をしたいのだろうが、二人っきりのこの静かな場所
ではなかなか難しい。

「わ、わたくしでは……ありませんわよ」

暫くして捻りだしたらしいその言葉は、すみれにしてはとても苦しいものであった。
どうやら自身もそれには気付いているらしく、一瞬だけ途切れた後の言葉は元トップスタアらしからぬ
弱々しいもの。やがて羞恥心に耐えられなくなったのか彼女の視線はかえでの瞳から徐々に下がっていき、
ついには完全に床を見つめて俯いてしまった。

だが、そんな姿はかえでにとってとても愛らしいもの。
そして同時に、心から信頼し愛されているという証でもある。弱々しい姿を見せることを嫌う彼女は、
たとえ仲間であってもそんな姿を見せようとはしないのだ。

かえでは思わず、ふっと息を吹き出す。
するとその反応がどうやら癪に障ったらしく、すみれの眉間に深々と刻まれていた皺が更に険しくなる。
このままでは完全に臍を曲げてしまうのは時間の問題。そうなればいくら恋人であってもすぐに機嫌を直す
術が無いのは目に見えている。

またやってしまったと心の中で舌を出しながら、かえでは再び鍋の前へと向き直る。
すると食欲をそそる湯気が鼻腔に流れ込み、自らの空腹にふうと息を吐いた。

「それで、あなたはお庭に行かないの?」

ぷくぷくと小さな泡が出始めた水面を見つめながら、彼女はすみれにそんなことを問いかける。
それには相手の機嫌を計るリトマス試験紙の役割もあったことは言うまでも無いのだが、かえで自身の
純粋な疑問でもあった。

さくらが起き出したのとほぼ同時に一階へと下りて来たかえでは、中庭の光景を見た後すぐにこの場所に
足を向けた。朝から走り回って空になった皆のお腹に、彼女お手製のお雑煮を振舞おうと考えたのである。

そして下準備が整った頃、自らの隣で寝息を立てていたすみれが厨房へと顔を出した。
だが朝の挨拶と適当な会話を交わした後は、何をすることなく彼女はじっと調理をするかえでの姿を
見つめるのみ。

勿論極端に個性的な料理の腕を持つ相手に調理を手伝って貰う訳にはいかないのだが、調理している方と
しては構うこともできず申し訳ない気持ちさえする。
それが普段は一緒に居ることさえ叶わないすみれであれば尚更そう思わずにはいられない。

取締役としてもまた神崎家の一員としても忙しい正月を終えた彼女が帝劇を訪れたのは、皆の顔を見て
束の間の安らぎを得る為。それならばほんの少しでも長く皆と時を共にしたいと考える筈なのだが、何故か
彼女は中庭ではなく厨房に居る。

恋人である自分とは、昨日一晩共に過ごしたにも関わらず。

「こんな雪の中で表に出ては、せっかくのお召し物が濡れてしまいますわ」

声と同時に振り返ると、あまり座り心地は良くないであろう椅子に腰かけたすみれは、着ている着物の裾を
ヒラヒラと揺らす。帝劇に居た頃から身に着けているお気に入りらしいその紫色の着物は、恋人であるかえで
にとっても大切なもの。確かに彼女の言う通り、駄目にしてしまう訳にはいかない。

「じゃあ動きやすい服に着替えればいいじゃない。あなたのがここに無いなら、私のを貸すけど?」
「遠慮致しますわ。わたくしはもう雪ではしゃぐような年でもありませんし……むしろカンナさん達が幼すぎるの
ではありませんこと?」

奇しくも背丈は同じでスリーサイズも殆ど変わらない。だからこそのかえでの提案だったのだが、すみれは
軽く首を横に振って柔らかくそれを断る。
そして続けざまに呟かれた言葉に、彼女はしばし昨日の晩の彼らに思いを馳せた。

「カンナは前から雪が好きだし、アイリス達三人は雪が積もるのを楽しみにしてたのよ。他の皆はそこまでじゃ
ないけど、皆が集まったのならもっと楽しんだ方がいいじゃない」

ラジヲでの気象情報に表情を輝かせた三人。レニは一見そうではないように見えるものの、付き合いの長い
かえでには彼女の心が手に取るように分かる。
はにかんだ表情を浮かべた彼女を抱きしめれば、アイリスや織姫も飛びついて来た。
そうして皆が笑い、星が輝く夜空を見上げたことをかえでは鮮明に覚えている。
そしてそれほど待ち望んでいたからこそ、今普段は大人しメンバーも交えてはしゃいでいるのだろう。

楽しいと思えることは共有する仲間が多いほど、大きなものになるのだから。

だがそんな温かな思い出の中に、ふと恋人の居ない切なさが込み上げる。
もしもかえでがレニを抱きしめたのを見ていたとしたらきっと不機嫌になっただろうし、普段からやりあっている
カンナに余計なひと言を言ってひと悶着起こしたに違いない。

しかし実際にそんな騒ぎが起こる筈もなく、今目の前に居る彼女の中にこの温かな思い出は無いのである。

それはなんて、残酷なことなのだろうか。

「……かえでさんは、お好きですの?」

ふと黙ってしまった彼女の耳に、すみれがそう問いかける。
勿論相手が雪のことを言っていることは分かっていたのだが、その返答にかえでは思わず自らの感情を
込めてしまった。

「ええ……好きよ、大好き」

自らの頬が染まってゆく熱さを感じながら、かえでは噛みしめるようにそう言って口元に笑みを浮かべる。
すると目の前に座るすみれの頬が一瞬で、林檎のように赤く染まってしまった。

ああ、どうやら自分に当てられてしまったようだ――かえでは心の中でそう呟くと、ぼやけかけた視界を隠す
ように再び鍋の前へと向き直る。

水底に沈む野菜たちを覆い隠すようにぷくぷくと煮立ってきた鍋の中に、切っておいた鳥肉を入れる。
やがて薄い桜色だったそれが白くなる頃には、またぽかぽかと水面が騒ぎ始めた。あとは味を調え、
主役である餅を入れるのみ。

そしてかえでが醤油の入った瓶を手に取った時、ふとその背中に暖かいものが触れる。
振り返ることなくその正体に気付いた彼女は、手に取った瓶を再び調理台の上に置いてちらりと背後に
視線を移した。

彼女の瞳に、未だ赤いままのすみれの頬が微かに映る。
彼女は肩の辺りに額を付け、まるで縋りつくようにかえでの服を両手で握りしめていた。

髪のお陰でその表情こそ見えないものの、そんな相手の姿にかえでは初めてその真意に気付く。
彼女は雪を嫌がっていたのではなく、少しでも長い時間を自分と共に過ごしたかったのだ、と。

「もう少しで終わるから……そしたら、一緒に混ざりましょうか」

空いている方の手ですみれの柔らかい手に触れたかえでは、語りかけるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
相手はその身体から離れることもまた顔を上げることも無く、俯いたままじっと次の言葉を待っていた。
かえではその手を彼女の頭へと移し、濃いブラウンの髪を優しく撫でる。

「あなたの居ない思い出なんて、どんなに楽しくても辛いだけだもの」

微かに漂うすみれの匂いに誘われ思わずその唇から漏れた言葉は、紛れも無いかえでの本心であった。

*     *     * 
 
「それじゃあ後は任せるけど……本当に大丈夫?」

かちゃり、という金属音と共に響いた聞き慣れた声に、かえではふと瞼を上げる。
だが目覚めたばかりの瞳はなかなかその明るさに慣れず、ぼやけた視界が元に戻るまでにほんの少しの
時間を要した。

「ええ、ご心配は無用ですわ。もう酔っ払い一人介抱できない程、幼くはありませんもの」

先程の声に答える、同じように聞き慣れた声。
だがそれにはどこか棘のあるような気がし、かえでは自らの瞼をごしごしと擦る。

そして再び目を開けると、最初に目に入ってきたのはドアのすぐ傍に立つマリアの姿。
彼女のグリーンの瞳は一瞬だけかえでのそれと絡み、やがてその口元に微かな笑みが浮かぶ。

「……そう。じゃあ私はこれで」

言葉と同時に視線をかえでから離した彼女は、軽く手を振って外に出ると部屋のドアを閉めた。
かちゃりと外側から鍵の掛かった音がし、部屋の中に静寂が降りる。
かえでは漸く視界の戻った目で辺りを見渡しそこが自分の部屋だと気付くと、その視線を自らの正面で
ピタリと止めた。

「……すみれ」

彼女は視界に入った人物の名を呼び、そして目を丸くした。

「あら、起こしてしまったようですわね」

呼ばれた相手はにっこりと微笑んで彼女を見下ろすと、その髪を柔らかく撫でる。
その姿が見える角度と感触から、かえでは自身がすみれの膝を枕にしてベッドに横たわっているということに
気付いた。

だが彼女が驚いた理由は、別のところにある。
すみれが今、この場所に居る筈が無いのだ。

「どうして、まだ……」

かえでは自らが眠りこける前のことを懸命に思い出していた。
実家で行われたパーティーの終了が遅れ、帝劇でのパーティーの開始時間が遅れたこと。
もう来ないのかとも思われた主役が漸く姿を現したことに安堵しながらも、すぐにやってくる別れを思い
複雑な感情を覚えたこと。
そしてそれを振り払う為に無茶な飲み方をし、無理やり陽気に振舞っていたこと。

「お正月が土曜なら、七日後のわたくしの誕生日も土曜じゃありませんか」

まるで走馬灯のように流れてゆく眩しいひと時の合間に、心地よいすみれの声が響く。
するとどこか幻を見ているような気がし信じられなかった彼女の姿が、その温もりが、かえでの中で徐々に
現実味を帯びていった。

「今日は長引いてしまいましたから、その分休みを頂いてもよろしいでしょう?」

ふっと微笑んだ彼女につられ、かえでの口元もまた笑みの形を作る。
しかし相手の顔に触れようと伸ばした腕は、彼女の視界の中でゆっくりとぼやけていった。

「……いつから、泣き上戸になられましたの?」

頬を伝う温かいものの感触にそっとすみれの指先が触れ拭っていく。
それから少し遅れて自らの手が彼女の頬に触れた時、かえでは初めて恋人の存在を確信した。

「あなたが居なくなってから、ずっと……よ……」

掠れてしまった喉を必死に震わせ、唇が途切れ途切れに言葉を発する。
そして掌が彼女の頬から耳へと移った時、自らの唇に相手のそれが重なったのを感じた。
柔らかく温かいその感触は、離れている時間が長くなってもずっと変わらない。

それを舌で軽くなぞるとゆっくりと門を開けてくれることも、変わらない。
舌を絡める感触も、それに連れて徐々に昂る熱も――

「あ、待って……」

深い口付けの途中、かえではそう言ってお互いの唇の間に手で壁を作り相手を遮る。
そしてきょとんとした表情を浮かべた彼女の膝の上から抜け出すと、同時に身体を起こした相手の身体を
ぎゅっと抱きしめた。

「……やっぱり、この方がいい」

反射的に顔をこちらへとむけたすみれの唇に軽い口付けを落とすと、勢いに任せてそのままベッドの上へと
倒れ込む。
軽い衝撃に閉じた瞼を開ければ、すぐ傍には愛する人の顔。

ああ、何て幸せだろう――込み上げてくる熱い気持ちに耐えられずにかえでが微笑むと、同時に
すみれもまた同じような表情を浮かべる。

そうしてどちらともなく深い口付けを交わすと、やがて二人は儚い夜の夢に溺れていくのだった。

+++++++++++++++
エプロンして調理するかえでさんを見つめつつ、きっとすみれちゃんはこの人嫁にしたいなぁ…とか
考えてたんじゃないでしょうか。
愛する人が目の前でご飯作ってる! ってだけでキュンキュンしちゃうすみれたん可愛い。
そして私もかえでさんのお雑煮食べたい!

あ、雪合戦に姫が居ないのは相変わらず寝坊したからだと思われます。
多分最初に足跡付けられなくってムキーってなりながら、パジャマのまま外に飛び出すと思います。
その辺りでマリアかレニかかえでさんに捕まればいい。

という訳で、すみれ様お誕生日おめでとうございました!
かえすみアップ一年以上してなかったことに驚きつつ……閉めさせて頂きます。
お付き合い頂きありがとうございました!
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