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皆様、あけましておめでとうございます!
2011年も当ブログはまったり亀ペースでマイナー道を突き進んでいきたいと思います。
何卒、大らかな心で見守って頂ければ幸いです。

そして3日だから大神クンの誕生日か……おめでとうございます。
今年は少しでも出させてあげられたら、いいなッ!
(しかし今回一切出てこないという……何かデジャヴを感じるのですが)

そうそう、今年はサクラ大戦15周年の年だそうですね。
それを記念して武道館でライブも開かれるようですし、おめでたいことだと思います。
しかし何故に平日……! 地方民にはとても辛い状況ですよ……!

まあそれはともかく、2月には新曲CDも発売されるようですし、オンラインは出るしで凄いじゃありませんか!
学園モノはかえでさんを落とせるって勝手に信じております。副司令万歳!
オンリーも10月頃開催されると聞きますし、今年もサクラは熱い一年になりそうですね。

それに先立ってサクコレも開催中とのことで、地元はもうすぐなので今度行って参ります。
その後には勿論、愛さんのイベントでハッスルする予定でございますよ!

……何か、のっけから盛り上がってるけど体力持つかしら? なんだか嬉しい心配をしております(笑)

そして拍手ぱちぱちありがとうございました!
かなり停滞中だったので、ここでまとめてお礼を述べさせて頂きます。
ありがとうございました……ッ! こんなマイナーなのに幸せだなぁ!

さてさて、そんな今年一発目はマリかえでございます。
年末にも言っていた通り、私の脳内がマリかえです。どうしようもなくマリかえです。
あと数日であのお方の誕生日だというのに……! が、頑張ります(汗)

注意
・百合です
・マリかえです
・こ、今回は何とも無いですのでご安心を……!

【本日の戯言77】
すみれちゃんの振袖の帯を引っ張って『あ~れ~!』とかやってみたい。
その役目に適任なのはやっぱ姫だろうか? まあかえでさんとかマリアでも楽しいんだけど……!



+++++++++++++++


『ひとりきりのお正月』

大勢の観客で賑わう公演中はさることながら、休演日すらも個性豊かなスタア達の声が響く大帝国劇場。
その声はいつも途切れることなく流れてくるように思えるのだが、一年のうちのほんの数日間だけ水を打った
ように静まり返る時期がある。

それは新しい年の始まりを迎えた正にその日。
スタア達が故郷へと帰省し、劇場内に殆ど人気が無くなる時である。

スタア達も人の子なのだから、生まれた故郷がありそこには家族が居る。
帝都で華麗に舞う女優として、そして帝都を護る秘密部隊の隊員として日々を忙しく過ごしている彼女達が
そこに戻ることができる時間は殆ど無い。
その貴重な時間の一つが、世間が家族と共に新年を祝うこの正月なのである。
そして休演日やお盆等の休みとは違い、この時期はメンバーを一斉に休みを取らせ帰省させるのが通例と
なっていた。年の初めの時期くらいは、もうひとつの家族と共に……普段は彼らを見守る立場の人間達の
ささやかな計らいである。

だがスタア達の中には故郷を捨てた者や、元々故郷と呼べる地もまた両親が既に存在しない者も少なからず
存在する。そんな彼らはどうしているのかといえば、育ての親ともいえる恩人の元へ赴く者、自らの身元を
預かる人物に挨拶に行く者、またそのまま劇場に残って過ごす者等、それぞれが思いのままにその時を
過ごしていた。

一月の冷たい空気の中を足早に歩くマリアもまた、そんな故郷も身寄りも無い人物の一人である。
今年もまた彼女は遠い故郷へと戻るメンバー達を見送った後、自らは一人身元引受人である花小路伯の元を
訪れていた。毎年この時期に屋敷を訪れる彼女を伯爵は暖かく迎えてはくれるものの、いくら世話になっている
とはいえ長居をするのは迷惑になると考えるマリアは、数時間話をするのみですぐに屋敷を出る。
普段ならその後、昔とは違い貴重になった一人の時間を過ごしそのままホテルで一泊するところなのだが、
今年はすぐに帝都へと戻る列車に乗り込み、乗り継ぎを経て劇場のある銀座へと降り立った。

大帝国劇場からスタア達が姿を消すとはいえ、劇場に居る全ての人間が居なくなってしまう訳ではない。
劇場であると同時に帝都を護る秘密組織であるこの場所は、帝都防衛には欠かすことのできない場所。
いくら平和を取り戻したとはいえ、またいつ新たな敵が襲い来るとも限らない。

そんな緊急事態に備え、この時期は常に副司令であるかえでが劇場に一人残っていた。勿論その他にも
何人かの人間が存在するのだが、表舞台には現れることの無い彼らと出会うことは普段ですら殆ど無い為、
実質彼女ひとりが劇場に残っていると言っても過言ではない。

そして普段ならばもう一人、マリアと同じように身寄りの無いレニが普段通りの休日を劇場で過ごしている
筈なのだが、今年はアイリスと共に彼女の両親の元へと行ってしまい不在である。また是非劇場の飼い犬で
あるあの白い犬もレニと一緒に紹介したいというのがアイリスの願いであったため、彼も初めての旅行に
旅立ってしまった。

こうして本当に、かえで以外の人間が劇場から姿を消してしまったのである。

こうなることが予測できた為、マリアや華撃団の隊長である大神が劇場に一緒に残ると彼女に申し出たの
だが、『私に遠慮なんかしないで、ゆっくりしてらっしゃい』という当人の言葉に最後には押し切られてしまった。
しかしどうしても彼女を長い間一人にすることなどできず、マリアは普段よりずっと早く劇場へと帰って来たの
だった。

見慣れた景色の中マリアの瞳に映るのは、新しい年の訪れに浮足立った人々の姿。時間はとうに昼を過ぎて
しまっていることを考えると、初詣からの帰り路といった人々が多いのだろうか。
晴れ着を着て静々と歩く男女の横を凧や駒など正月特有の玩具を持って走る子供、洋装に身を包んだ家族
連れは流行りの活動写真でも覗きに行くといったところか。普段と同じ黒いコートにスーツケースといった恰好
で歩くマリアの方が異常であるかの如く、街全体が晴れやかな空気に包まれている。

やがて劇場へ向かう最後の角を曲がると、彼女の目に見慣れた劇場の扉が映る。まばらな人ごみにぶつから
ないようにしてやっとその前に立ったマリアは、ドアの取っ手に手を掛けゆっくりとそれを前に押した。

がち……という金属音が鳴り、ドアの取っ手が何かにつっかえてしまったかのように弾かれる。
マリアは一瞬驚いたような表情を浮かべその後何度かガチャガチャと取っ手を動かしたのだが、状況は
変わらなかった。

どうやら、正面の玄関には鍵が掛けられているらしい。

マリアは取っ手から手を離して裏口へと向かい、先程よりも小さな取っ手をカチャカチャと動かした。
だがそれも正面と同じように鍵が掛かっており、どうしても中に入ることができない。
普段メンバーのうちの誰かが中に居さえすれば、どちらかの鍵が開けられている筈。
となれば、ここに居る筈のかえではどこかに外出してしまっているということか。

ふう、とマリアの口から溜息が洩れる。かえでの性格を考えれば、劇場を空にしたまま遠出をするということは
考えにくい。そうなればどこか近くに居ると考えるのが妥当なのだが、彼女がよく立ち寄る場所を大抵知って
いるマリアであっても、近場となると全く見当がつかない。

正に灯台下暗しといった状況に、彼女は腕を組んで思案をし始めた。

行くあては皆目分からず、近場であることやこの状況を考えるとあまり時間を置かずにかえでは戻って
来るだろう。それならば下手に動いて行き違いになるよりも、この場を動かずにその帰りを待っている方が
賢い選択であると考えられる。

だが、待とうにもこの寒空である。雪こそ降っておらずまたマリアは寒さに強いとはいえ、暖を取るところも無い
この場所を動かずに待つというのは厳しい。その上生憎時間潰しになるようなものを彼女は一切持って
おらず、いつ帰るかも知れないかえでを待つというのは精神的にも辛いことである。

マリアは静かに目を閉じ、じっと動かずに考え込む。
そんな彼女の姿を気に留める人間など居る筈もなく、浮足立った人々の何人かが劇場の前を通りすぎていく。

やがて暫くの思案の末、結局彼女は自らが地面に置いたスーツケースを再び手に取る方を選んだのだった。
 
 
 
手始めに劇場の外周をぐるりと一周し、次は比較的距離の近い馴染みの店の辺り。
しかし当然ながら正月早々開いている店など無く、またその周辺にも見当たらなかった為捜索の範囲を
少しだけ広げてみる。

当ても無い捜索を始めて幾許かの時が過ぎた時、ふとマリアは足を止めて元来た道を戻り始めた。
既にかえでが劇場に戻っているのではないか、そう考えたからである。
彼女にはどうとでもないこの寒さでも、北国の生まれではないかえでにとっては見に沁みるものだろう。
となればそろそろ、暖を取りたくなる頃合いだ。

こうして再び足早に、しかし周りの群衆にも目を向けながら、マリアは劇場の方へと石畳の道を進む。
彼女以外の人々が皆複数で楽しそうに談笑しながら歩いている為か、たった一人その中を歩く彼女には
木枯らしが余計に冷たく感じられた。

やがてコートの襟を立て始めた彼女の視界が、ふと見慣れた景色を通り過ぎる。それは劇場から数分の場所
にある小さな公園。レニやアイリスと共に犬の散歩に訪れれば、まだ学校にも上がらないくらいの年齢の
子供たちが母親と遊んでいるところを彼女もよく目にしている。遊具も少なくまた走り回るには小さすぎる為、
物心がついた子供達にはあまり人気のない……そんな場所であった。

だが、今日は何故か普段見掛けるよりも少し年上の子供達がそこに数人集まっていた。彼らは公園の隅に
ある一本の大きな木の周りを取り囲み、上の方に向かってしきりに何かを叫んでいるようである。
そんな状況を不思議に思ったマリアは、彼らが視線を注いでいるのと同じ背の高いその木の上へと視線を
スライドさせていった。
 
坊主頭から太い幹、そしてすっかり葉の落ちてしまった太い枝、どこかで見た覚えのある黒いスパッツと、
そして――
 
途端に、マリアは公園の中へと一目散に走り出す。
人ごみを掻きわけ背の低いフェンスの辺りまで来ると、片手を着いて軽々とそれを飛び越えた。
着地と同時に踏みつけた落ち葉の音に気付いたのか、何人かの子供が彼女の方を振り返る。
だがマリアはそれを気に留めることなく、木に引っ掛かった凧に手を伸ばしている相手に向かいその名を
叫んだ。

「かえでさん!」

声が響いたのと同時に、かえでの手が凧を掴む。
すると子供達から歓声が上がるが、名を呼ばれた当人は目を見開いてマリアの方を見た。

途端に彼女の身体がぐらりと揺れる。どうやら急に視線を動かした反動で、身体がバランスを崩してしまった
らしい。それを見たマリアは必死に足を動かしたものの、どれだけ手を伸ばそうとこの距離では落下する
かえでの身体には到底届かない。

短い悲鳴が辺りに響いた数秒後、かえでは木の下に敷かれた落ち葉の上で尻餅をついたのだった。

「かえでさん!」
「姉ちゃん、大丈夫か!?」

悲鳴に近いマリアの二度目の呼びかけとほぼ同時に、すぐ傍に居た子供達が口々にそう言いながら
集まって来る。

「いたたた……大丈夫よ、心配しないで」

やがてマリアがその一番外側に辿り着いた時には、かえでは少しだけ痛みに顔を歪めながらも、笑みを
浮かべて彼らの言葉に答えていた。
そして彼女のすぐ前に立っていた少年に、手に持ったままの凧を手渡した。

「はい。ここじゃ狭いから、もう少し広いところで上げてらっしゃい」

かえでが握ったところだけが少し皺になっていたものの、凧にそれ以上の損傷は見られない。
少年は両手でそれを受け取ると、礼の言葉と共に深々と頭を下げる。するとそれに倣い、周りの子供達もまた
一斉に頭を下げた。

「ふふっ……どういたしまして。怪我しないように気をつけるのよ」

目の前の坊主頭をかえでが撫でると、にっこりと笑った少年は周りの仲間達と一緒に駆けだす。彼らは口々に
かえでに向かって叫びながら、手を振って公園の外へと消えていった。

「うちの子達も可愛いけど、男の子も元気があっていいわね」

子供達が嵐のように去って行った方を見つめながら、かえでは優しい笑みを浮かべる。
マリアは同じようにその方向を見つめ短く返事をしたものの、すぐに表情を変えて彼女を見下ろした。

「……あまり私の寿命を縮めないで下さい」

少々ムッとしたような表情で呟いたマリアを見上げ、かえでは苦笑いを浮かべる。
そして『ごめんなさい』と一言謝罪を述べると、ゆっくりとした動作で立ち上がり、木の葉まみれになってしまった
スパッツを手で払った。子供の前である手前無理をしているのではないかとマリアは危惧していたのだが、
自ら立ち上がることができる様子を見る限り、どうやらそれは杞憂であるらしい。

だが突然、かえでは何を思ったか再び木の葉の上にバサリと座り込む。その表情は先程とは全く違う驚いた
ような表情に変化しており、頬はいつの間にか真っ赤に染まっていた。

「どうされましたか。まさかどこか怪我でも……」

いきなりの彼女の変化に、マリアは血相を変えて彼女の前にしゃがみ込む。
しかしかえでは彼女の言葉にふるふると首を振り、自らの両手をその尻の方へと滑らせる。
そして彼女は身体を捻ってその手の方に目を遣ると、やがて盛大に溜息を吐いてこう言った。

「……どうしよう。破れちゃったみたい」

痛みのせいにしては様子がおかしいと思っていたマリアは、かえでの言葉にきょとんとした表情を浮かべる。
そして彼女の背後へと回り彼女が両手で覆っている場所に視線を落とした。

彼女の黒いスパッツが、尻の辺りで見事に裂けていた。

どうやら落下した際に枝に引っかかってしまったらしいのだが、腰をおろしている上に上着で一部が隠れて
いる為その全容は分からないものの、確認のできる箇所の様子を考えればかなり酷い状態であることが
予想できる。勿論、そのままではとても街を歩くことなどできない。

その様子を見たマリアは、咄嗟に着ていた黒いコートの紐に手を掛けそれを脱ぐ。
そしてかえでの肩にそれを羽織らせると、そのきょとんとした顔の目の前に手を差し伸べた。

「一先ずこれで隠して、劇場まで戻りましょう。下がってこなければいいのですが……」

まるで紳士のようなマリアの言葉に、かえでの表情が少しだけ柔らかいものへと変わる。

「ごめんなさい……ありがとう、マリア」

彼女はそう言って少しだけ柔らかい表情を浮かべると、肩に掛けられたコートでぎゅっと自らの身体を
包み込んだ。
 
 
 
浮足だった人々の間を、この寒い時期にそぐわない薄着のマリアが、丈の合わないコートを着たかえでと共に
歩いている。コートをかえでに譲ってしまった為確実に身体に感じる温度は下がってしまった筈なのだが、
何故か先程よりずっと暖かく彼女には感じられた。

劇場へ戻る帰路につくのと同時に、かえでは自ら事の真相をマリアに語り始める。
広い劇場に一人きりで仕事をこなすうちにどうしても淋しくなった彼女がふと窓に目を遣ると、先程の子供達が
肩を落として劇場の前を歩いていくのが見えた。
その様子が気になり外に出て話を聞いてみれば、せっかく作った凧が木の枝に引っかかってしまったのだと
いう。登って取ろうにも子供にとってその枝は余りにも高く、渋々諦めて帰るところだったらしい。

「それで、劇場を空けて木のぼりですか」

マリアはふっと溜息混じりにそう呟くと、かえでは少しだけ言葉を詰まらせる。

「も、勿論迷ったわよ。ここには私しか居ないし、さすがに木のぼりをするような歳じゃないし。でもあの子達の顔見てたら、どうしても何とかしてあげたくなっちゃって。幸い場所もすぐ近くだったから、少しの間ならと
思って、行っちゃったの」

どこかしゅんと肩を落として語るかえでは、自らの言葉の後に深い溜息を吐き、その頭をこつりと叩く。

「だめねぇ、ここ最近いくら平和だからって……たるんでいるのかしら。いくらなんでもそれくらいで劇場を
空にするなんて、副司令として失格だわ」

かえでの言葉に、マリアはふと彼女の方を見下ろす。すぐ近くで見るその横顔には、目立ちはしないものの
小さなかすり傷が幾つか散りばめられていた。どうやら先程の落下は、彼女の下半身以外にも幾つかその
痕跡を残しているらしい。

ふっと、マリアは口元に笑みを浮かべる。

「確かにかえでさんの言う通り、あまり褒められた行為では無いのでしょう。でも私は、かえでさんがそんな
副司令でよかったと思います。いくら有能でも、泣いている子供を見捨てるような上官を尊敬することなんて
できませんから」

彼女の言葉に、かえでがふと足を止めてそちらを見上げる。
いつの間にか、彼らは劇場の前へと辿り着いていた。

「ただ、あまり危険なことはして欲しくないのですが……それも、あなたらしいということでしょうか」
「こ、子供の頃はあれくらいするする登れたのよ」

つられるようにして足を止めたマリアの言葉に、かえでは恥ずかしそうに少しだけ頬を染めて言う。
あの木を登ろうと思った彼女である、その言葉はきっと嘘では無いのだろう。

見ず知らずの子供が泣いている。大人からすればそれは他愛の無いことなのだが、それを放っておくことが
できずに飛び出し、身を挺して彼らの笑顔を取り戻そうとする。

そんな彼女が、マリアにはとても愛おしく思えた。

「ふふっ……まあとにかく、私はそんな『藤枝かえで副司令』が好きです。部下としても、そして私個人としても」

彼女は満面の笑みを浮かべ、その正直な気持ちをかえでに述べる。
本人からすればそれは自然なことなのだが、帝国華撃団のトップスタアの端正な微笑みは常に人の心を
奪うもの。

それは見慣れているかえでにとっても同じことであったらしく、マリアの言葉と同時に顔を真っ赤に染めた
彼女は、着ているコートの襟を立てるとその中に顔を少しだけ埋めた。

「あ……」

そんな彼女の口から、やがて小さな声が漏れる。

「どうされましたか?」
「このコート、マリアの匂いがする」

マリアの問いかけにかえでは答えると、にっこりと微笑んで深く息を吸い込む。そして一瞬だけうっとりとした
表情を浮かべると、ふうとその唇から吐息を漏らす。
その表情は彼女が恋人に抱きしめられている時の、安堵の表情そのものであった。

すると彼女の目の前に、直前に赤い手袋を脱いだマリアの白い左手が差し出される。
かえではきょとんとした表情を浮かべ、目の前に立つ相手を見上げた。

「早く中に入りましょう。そこでならいくらでも、あなたを抱きしめられますから。……そんなものに頼らなくても」

マリアの言葉に、かえではまた頬を染めてにっこりと微笑む。
そして差し出された手を右手でぎゅっと掴むと、二人は劇場への階段を掛け足で上っていったのだった。

+++++++++++++++
ちょっと前から考えていた、かえでさんがマリアのコートを羽織るという図。
こないだの相方様の漫画でも描かれておりましたが、やはりサイズの違うものを着るというのはたまらないと
思います。
次は下を履かずに大きなワイシャツ一枚だね! 状況が分からないけどね!

……こんな感じに吹っ飛んでしまうので、皆さんラブレターは夜中に書いちゃいけませんよ(笑)
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